23, 親睦会?
家の掃除などを終え、クロエが庭の手入れをしていたとき、ガラザザとアイリッシュが帰ってきた。
「おかえりなさい。」
「ただいまクロエ。」
「ただいま。」
散歩に行く前に比べ2人の距離が近くなっていたことにクロエは少し安心した。
「アイリッシュ、ところで、今日はどうされたんですか?」
「アナタ、昨日、アタシの家に手袋を届けてくれたんじゃないの?」
「あ、⋯。」
「顔くらい見たかったわ。街の奴らに何もされてないわよね?」
クロエはあの男達を思い出したが、何もされていないと答えた。
「なら良かったわぁ。」
クロエは昨日の女の人を思い出した。
「アイリッシュ、ところで、今日はお仕事大丈夫なんですか?」
「今日はお仕事はお休みよ!」
「そうなんですね。では、帰られたほうが⋯」
「お仕事がお休みなら、僕達3人で親睦会をしよう。良いでしょ?アイリッシュ君。」
帰らなくて良いのかと聞こうとしたとき、ガラザザ様が口を開いた。
「親睦会?」
「さぁ、ピクニックに行こう!良いところをたくさん知ってるんだ。」
「いや、でも⋯」
「良いわねそれ!今日はお天気もいいし最高じゃない!」
アイリッシュがノリノリで、レジャーシートを取ってくるわと家を出ていった。
「クロエ、鬱々としていてはせっかく彼が来てくれたのに失礼だよ?」
「⋯、すみません。」
「怒ってはいないさ。彼に予定がないか尋ねたのは良いことだよ?でも、クロエは気を使いすぎる。これはクローナのときからの悪い癖だよ?もっと自分を出しなさい。彼なら多少のワガママも聞いてくれるさ。」
「⋯急に仲良くなりましたね。」
彼がワガママを聞いてくれることくらいわかっている。自分より彼を知っているようなガラザザの口ぶりにクロエは少しムッとした。
「あらら?嫉妬かなクロエ、可愛いね。まぁ良いさ。」
ガラザザが指を鳴らすと収穫したばかりの野菜たちが宙に浮いた。
「まずはサンドイッチだね。クロエ、パンを取ってきて。」
「はい。」
そこからはガラザザの大活躍で、ガラザザが指を鳴らす度に古代魔術が次々と展開し、ある魔術は風が野菜を切り、ある魔術は水が野菜の泥を落としていた。
そうして、アイリッシュが来た頃にはとても美味しそうなサンドイッチが出来上がったのだった。
☆☆☆オマケ☆☆☆
「なんで、こんなに調理向きな古代魔術があるんですか。」
「作った人が料理好きだったんじゃない?」
「ガラザザ様は何でこんなに古代魔術を知っているんですか?」
「ふふーん、ヒ・ミ・ツ」
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