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チュートリアルで躓く

男「もういい… もうたくさんだ… その心配しているような顔もどうせ演技だろ… 

職場のやつらもオレの仕事が回って困るから、心配していただけだろ… 

涙もどうせ雰囲気で出してるだけだ… 

皆少しすればオレのことなんて忘れてしまうだろ… 信じられるか! 

人の話をうんうん聞いている奴は内心オレのことをバカにしてるんだ。

オレが帰った後で悪口を言っているに決まっている。 

助力は惜しまないと言っていた奴も、口ばかりに決まっている。 

どうせ、裏ではオレのことを面倒なものだと思っているだろう。

オレを褒める奴らも、心の底からは思っていない…

オレの機嫌を取っているだけだ…

愛しているという言葉も、本心ではない。

誰も信じられるか…

オレが信じられるのは、オレだけだ…

いや、オレすらオレを欺いているかもしれない…

じゃあ、オレは何を信じればいい?

いや…そもそも信じる必要がないのか…

何も信じない…それもいい。

もしも輪廻転生なんてものがあるのなら…

そこではうまく生きよう。

…滑稽だな…そんなものだけど信じるなんて…」


男が目を開けると、そこには、一人の女性がいた。

女性の背には大きな羽が生えている。

腰まで届く絹のように滑らかな髪。

まさに、天使のような存在であった。

女性は名乗る。


ルーチェ「私はルーチェ。 神の使いなり。 人間よ。 そなたは高い能力を持ちながらも、それを発揮することなく命を落とした。 神はそのことを嘆いている。 よって、おぬしの魂を別の世界で再利用することとした」


男「はぁ?」


ルーチェ「喜べ。 お前を転生させてやる。 しかも、更なる神の加護も授けよう。 それを用いて、今度こそ、世界を良い方向へ導くのだ」


男「…議論が進まないので、オレが亡くなっていること、そしてお前が人外の存在であること、この二点については疑わないようにしよう。 だが、先に進む前に3つ答えてもらおうか?」


ルーチェ(何こいつ…めんどくさっ。 転生できるヤッホーいで、首を縦に振れよ)


男「一つ、お前が神の使いであるという証拠は? 二つ、オレである理由を納得できるように説明せよ。

三つ、良い世界とはなんだ?」


ルーチェ「えーっと… それはですねー この姿? 天使っぽいですよね」


男「天使のような姿をして、人をだますのは悪魔の常套手段だろう。 人間にも、綺麗な姿を使って人を騙そうとするやつがいる。 姿かたちでは信用できん」


ルーチェ「あー えーと。 魔法。 魔法使えます」


男「君が人外であるということは既に承知している。 魔法というの人智を超えた能力を使えるということは人外であることの証明…いやまてよ。 魔法を使える人間は存在するか?」


ルーチェ「えーと、一応転生先では、人間も魔法を使えます」


男「なるほど、ということは仮にその人間をオレが思うところの人間と同様の生物… 待てよ、その人間というのは生物か?」


ルーチェの顔が徐々にこわばっていく。


ルーチェ「ええ、生物です。 というか基本的にはあなたの世界の人間と同様と考えて大丈夫です」


男「分かった。 そうだな… 府には落ちないが、ここは突っ込まないでおこう… とすると話は戻るが、お前が魔法を使えるということは、少なくともお前は俺の世界の人間ではないということしか証明できていない。 ということで、他の証拠はないのか」


ルーチェ(めんどくさぁああああ… そういえばこんな時のために神様がくれた… あった!)


ルーチェ「じゃーん。 天使免許です。 これで信じてくれますか?」


男「そんなものいくらでも作れるだろ。 車のない世界で運転免許が意味無いように、天使の概念がないところ…というそもそもの天使の存在が疑われている状態で免許がどうとか言われても、信用できるか」


ルーチェ「きぃーー。なんですかめんどくさい。 今までこんな転生者いませんでしたよ」


男「なんと、前例があるのか? それじゃあ、その例を教えてくれ。 そうだな。 オレがいた世界に転生した人はいるのか? その内容によっては、とりあえず転生のシステムについては納得しよう」


ルーチェ「藤○、吉○、○イマン、○なり、坂○、織○、徳○、孔○、デカ○ト、ル○ー、ヴェート○ヴェン、モーツァ○ト…私が担当した中で、印象に残っているのはこれくらいかな…」


男「なるほど…信じよう。 だが、肝心の君が天使であるかどうかについては、まだ分からない」


ルーチェ(お前から、君に上がってる)


男「…しばし、待ってくれ…」


男(天使は両性具有と聞く… しかし、見ず知らずの… 女性に見える存在にアソコ見せてとは言えない… また、悪魔も両性具有なので、仮にこの存在が両性具有あるいは雌雄同体だったとしても、天使か悪魔、カタツムリのいづれかぐらいにしか絞れない… 天使という存在の概念がもう少しオレにあれば…良い質問ができるのに…)


ルーチェ「あのー」


男「待ってくれ」


ルーチェ「ですが… 実はここにいられる時間がもうないんです」


男「なにぃ」


ルーチェ「普通は、転生しました⇒やったー⇒ステ振り⇒加護の設定⇒世界観の説明 みたいなことをこの時間にするんです。 ぶっちゃけ転生準備が整うまでの時間稼ぎですね」


男「なん…だと」


ルーチェ「仕方ないので、私もまずは一緒に世界に降りますので、そこでステ振りと加護の設定と説明をします。 ごめんなさい」


男「仕方ない。 問題は先送りにしよう。 こちらこそ、そちらの都合を配慮できていなかった。 すまない」


ルーチェ(…めんどくさいけど… 悪い人じゃなさそうなのよね… 無理もないか…前の世界であんなことがあったんじゃあ…) 


男は光の玉に包まれる。

転生の儀が始まった。


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