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公式設定はだいたい正しい。1



「エリオット様、婚約の件なんですけど考えて下さいましたか?」



「もちろん、すぐに許可を取ってみせるよ」



「あ、いえ。そうではなくて……」



「それより、シルヴィア。

僕、少し残念な事があったんだ。何だと思う?」



ひえっ。

笑ってるのに笑ってない………!



「残念な事……ですか?

想像もつきませんわ」



だって顔にしか興味ないもの。



「僕はね、シルヴィア。

君が僕のためにカレーを作ってくれるって言うから、とても楽しみにしていたんだ」



そうなの?

ちゃんと作ったわよ、主に自分のためではあったけど。



「なのに、耳に入ってきたのは、

ヴェルトハイム公の自慢話だ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()って」



「も、申し訳ありません?」



「ちゃんと分かって謝ってる?」



見当がつかないわ。

エリオットってこんな面倒くさいキャラなの?



「何も手作り料理を食べるのは悪くない、自慢話だって結構だ。公も鼻が高かっただろう。

問題は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って事だよ」



・・・・・⁇



「はあ……?」




「味見や毒見が必要なのは分かる。

だけど、完成品は僕が1番に食べたかった。

せっかく僕のためにシルヴィアが作ってくれたのに」



え、何。それで拗ねてるの?

自分が1番じゃないと嫌だって事?

負けず嫌いがすごい。


っていうか、可愛いとこあるじゃない!

やっと子供らしい一面を見れたわ。←自分の事棚上げ



「まあまあまぁっ!」



「何だいっ?」



「エリオット様がそんなに楽しみにして下さっていただなんて!ふふっ」



どうしましょう、ニヤニヤが止まらないわ。 



「――/// シルヴィアっ、僕は怒ってるんだよ?」



「ええ、ふふっ……そうでしたわね。

申し訳ありません……んふっ」



「もうっ!」



やだ、カワイイ!

キュンキュンしちゃう!



「お嬢様、紅茶が入りましたよー」



グッドタイミングよ、マリエラ!



「おっほん、エリオット様?

せっかくのお茶が冷めてしまいますわ。

ティータイムといきましょう」




今度こそ、本題よ。


アリア・フォン・アストゥリアス (10)

パッツン前髪が似合う美人さん。

ブロンドのストレートヘアに、凛々しさを感じる灰色の瞳。クールビューティー系ね。

お母様の生家、アストゥリアス伯爵家の血筋だ。

550年続く名家の一つで、目立ちはしないけど、

一目置く上流貴族も多い。


今年60になる、ベリアス・フォン・アストゥリアス伯爵は、厳格な人として有名で、その性格を買われ財務大臣補佐をしている。

家族構成は、

ベリアス伯爵

メアリー伯爵夫人

アダム次期伯爵(長男)

→セシル夫人、息子アシル、娘アリア

カトリーヌ(長女)

→別の伯爵家に嫁ぎ、息子がいる

クリスティア(次女)

→ヴェルトハイム公爵家に嫁ぐ


その孫であるアリア姉様は、3歳の時より貴族教育が始まった。ちなみに講師のチョイスは伯父様でなく、ベリアスお爺様。考えるだけでゾッとするわ。

私も3歳から教育が始まったけど、貴族教育は5歳からだった。

わりと緩いのよね、お父様とお爺様(父方)。

そんな厳しい教育にもスレずに成長した彼女は、

10歳にして立派な才女と言える。

学問も既に中等部レベルに達していると報告書にあるし、神童と呼ばれるエリオットにはピッタリよね。

きっと会話にも困らないわ。

なんと言っても、アリア姉様は器がデカい。

寛大と言うべきかしら。

彼の腹黒さや、負けず嫌いなところも優しく包み込んでくれるに違いない。


資質と言う意味で、調べれば調べる程ふさわしいわ!


どう、切り出すべき?

2人の共通の話題……は、思い浮かばない。

1コ違いよねー、でもそれだと意味不明だし。

あっ、そうよ!

アリア姉様は10歳。魔法を学び始める歳だわ!



「ところで。エリオット様は来年、魔法を習う歳ですわよね。私の従姉妹が今年習い始めたので、すごく気になって」



「ああ……ごめん、シルヴィア。

王族(ぼくら)は7歳から習得が始まるんだ。

知らなかった?」



え。

そんなの知らなかったわ。

法律で決まってるんじゃなかったの?



「知りませんでしたわ。ずるいです。

でもそれなら話が早いですわ!

従姉妹のアリア姉様が、習い始めたばかりなのに初級魔法は全てクリアしたようですの」



「へえ、それはすごいな」



「ですよねっ!それで見せて頂く約束をしましたのよ?(というか、今からする)

ぜひ、エリオット様もご一緒しませんか?」



「僕の事を()()()()()()()()?」



含みを感じる気がするけど、まあいっか。



「ええ、もちろんご紹介致しますわ!」



「そう。じゃあご一緒するよ。

楽しみだね? シルヴィア」



「はい!(乗ってきた!)」



ああ〜、お茶が美味しい。

ヴェルトハイム領は肥沃な土地として有名で、作物が良く育つ。この紅茶も領内で採れたもの。

これは実は、ヴェルトハイム家の特殊な能力にタネがある。建国当時から国を支えたのは、そのためよ。

別名【緑の一族】とも呼ばれる私達は、精霊に愛される血を引いている。

初代様が精霊王の愛子だったらしく、何代も精霊を愛し、敬う事で、その恩恵が続いているのだ。


精霊は用心深く、空気や魔力が澄んだ所にしか住まないため、出会う事も難しいとされる。

ネタバレすると、

基本、精霊界にいる事が多いだけなんだけどね。

だってヒロイン、精霊界に行くもの。

視える視えないの差は不明だけど、魔力が通ると視える人には視えるようになるらしい。


私は、魔法が10歳からじゃないと習えない決まりで、まだ魔力を通せていないから視えない。

ーーはずだけど、実は視えてたりする。

シルヴィアのキャラ設定には載ってなかったけど、重要よね。

何故載せなかったのか疑問だわ。


1番有名なのが、我が家のバラ庭園。

季節関係なく育つだけでなく、摘み取っても1ヶ月枯れない。

以前エリオットがバラに反応したのはコレが理由。

さらに、前世では存在しない水色のバラ

ブルーローズが咲いている。

人々は精霊に愛された証だと言うわ。

だから領民達はブルーローズが大好き。

年に一度お祭りが開かれるくらいだ。

内容はひたすらブルーローズ(ヴェルトハイム家)を拝み倒す奇祭……

誇りに思ってくれるのは嬉しいんだけど、限度ってもんがね。

だけど、さすがに我が家といえどブルーローズの栽培は難しい。蕾になっても開花する確率が低いのだ。

私が知ってる限りは毎回咲いてる気がするけど……?



「―――ヴィア、シルヴィア?」



「あっ、はい。何でしょう?」



「フフッ、何か考え込んでいたみたいだけど(僕が目の前に居るのに)」



いちいち副音声が聞こえる気がするわ。

考えすぎかしら……



「申し訳ありません、何となく視界に入ってしまいまして。

エリオット様は、ブルーローズを育てるのが難しいってご存知ですか?」



「もちろん。母や祖母も城で育てようとしたんだけどね・・・芽さえ生えなかったそうだよ」



「王妃様や王太后様がっ?」



「それほど魅力的なんだよ。だけど、ここ7()()は豊作らしいね。

何が理由なんだろう、ね?シルヴィア」



ここ7年。 

ふむ、だから咲いてるところしか見た事なかったんだ。どうりで。

精霊達も普通のバラより、ソコに溜まってる事が多いし。関係があるのかもしれない。



「そうですわね……私には分かりかねますが、

精霊に特に愛されているのかもしれませんわっ」



「そうかもしれないね。

ねぇ、ヴェルトハイムの家系は精霊が視えやすいって言うけど本当なんだね」



「??」



「だって、視えてるでしょ?

シルヴィアはまだ魔力を通してないはずなのに何でだろうね。君が特別だからかな」




ナゼ、バレタ。




間に合えば、今晩続きを更新する予定です。


あと5話前後を目処に、中等部編入ります!

もう暫くお待ち下さいませ。羊

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