表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/78

公爵家のお姫様〜とあるメイドの観察日記オマケ



働き初めて3週間。

使用人仲間はもちろん、あまりお会いする事はないけど、旦那様や奥様もとても素敵な方々。

12歳になるご子息がいらっしゃる様だけど、宿舎に入られているからお見かけした事はない。

シルヴィア様付きのメイド、マリエラさんによると、

アレン様は旦那様似の美少年らしい。

お嬢様の髪と瞳の色は、旦那様似だけど、おっとりしたタレ目の感じや、柔らかなウェービーヘアは奥様のもの。

早くお会いしてみたいわ。


「ニーナ、来週はいよいよシルヴィア様のお誕生日パーティーだ。すまないが、明日からは調理場の方も手伝ってくれるか?料理長が張り切りすぎて人手が足りない様だ」


「かしこまりました!」


呆れながら言うスチュワートさんも、実はすごく張り切っている。

装飾品探しに王都の有名店を何度もハシゴし、家令なのにシルバーを楽しそうに磨いている。

シルバー磨きは私達、下っ端の仕事なのにっ!ふふ。


パーティー当日。

上流階級の招待客でホールは溢れた。

料理長が張り切った料理も、スチュワートさんが厳選した装飾品もとても好評だ。


何より、今日のシルヴィア様は一際美しい。

いつもお人形のように可愛らしいけど、

奥様が前々から準備していた水色のプリンセスドレスには、たくさんのレースが重ねられ、動く度にふわりと広がる。

旦那様がプレゼントしたブルーサファイアのネックレスとイヤリングは瞳の色と相まって、肌の白さをより引き立てている。

ああっ、天使が舞い降りたみたいに綺麗だわ!


たくさんの人にお祝いの言葉とプレゼントをもらい、お嬢様も嬉しそう。


余談だが、面倒臭そうな貴族は、旦那様が追い払っていた。

素晴らしいです、旦那様!



1ヶ月ちょっと経ち、仕事にも慣れ始めた頃、事件は起きた。

エリオット王子が、シルヴィア様を見初められたのだ。そして何故かお嬢様は倒れられてしまった!

すぐに回復されたけど、心配で仕事が手につかない。

それは皆同じの様だった。


翌日、また王子がいらっしゃった。たくさんのプレゼントを持って。

素敵だけど、この量はさすがにちょっと……。

シルヴィア様も笑顔が引きつっていたわ。

その後、和やかにお庭でお茶を楽しまれたそうで、

次の約束までなさっていた。


どうやら王子様はウチの天使にゾッコンらしい。

来た時より帰る時の方が、シルヴィア様を見る目が情熱的というか……獲物を狙う目というか、、、。

少し不安になったのは内緒だ。



今、お嬢様はカレーなるものを作る為、市場にお出かけになっている。

王子のために……と思うと健気で可愛らしいのだが、何かが違う気がする。

何故だろう。


あと変わった点といえば、少しシルヴィア様の雰囲気が変わられた気が?

以前よりイキイキというか、すこし人間味が出た気がするわ。

あ、アレン様はマリエラさんの言った通り美少年だった!


そろそろ帰って来られる頃ね。

お昼の準備急がなくちゃ!





―――何故お嬢様はアレン様と料理長に引きずられながら帰ってらっしゃったの?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ