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友達が今日、女になりました。

作者: 花井新井

 友達が今日、女になりました。

 友達は男らしい奴でした。持ってくる弁当はいつも日の丸弁当でした。

 友達は男らしい奴でした。昭和の不良と言えばいいのか、短ランにリーゼントで学校に来ていました。


 友達が今日、女になりました。

 友達は義に厚い男でした。カツアゲされる僕を、いつも助けてくれました。お礼に肉屋でコロッケを買って、二人で食べたことをよく覚えています。

「迷惑かけてごめん」と言うと、彼はニッと歯を剥き出しにして笑って「良いってことよ」と僕の肩をバシバシ叩きました。痛かったけど、とても心強く感じました。


 友達が今日、女になりました。

 友達は男らしい奴でした。二人で川べりに座って、「女のカラダ、触りてぇなぁ」と語り合いました。純真な彼は女子を前にすると途端に喋れなくなるような奴でした。


 友達が今日、女になっていました。

 驚く僕に、彼女は「あのさぁ」といつもより高めの、いつも通り力強い声で言いました。「女になれば、四六時中女のカラダ触れるんじゃねぇかって思ってよぉ。サイコーだな、こりゃ」

 ニンマリ笑うと、彼女は自身の細い腕をしきりに揉んでいました。


 友達は漢のままでした。

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