表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

空箱

作者: 彩生 静

おもちゃの拳銃を握りしめて

殺してやる そう誓った

友達だと思ってたあいつらを

宝物を取り上げたあいつらを

変な名前をつけたあいつらを


割れた鏡の前に立ちつくして

死んでやる そう思った

無力で小さかった自分が

卑怯で小さかった自分が

我儘で小さかった自分が

どこまでも どこまでも小さかった自分が

憎たらしかった


死にたい でもそんな勇気はない

消えたい でもそんな力はない

溶けたい でもそんな甘くはない

散りたい でもそんな都合良くはない

真夜中の時計の針の音

誰かが何処かで叫ぶ声

僕は耳を塞いだ


死にたい でもそんな勇気はない

消えたい でもそんな力はない

溶けたい でもそんな甘くはない

散りたい でもそんな都合良くはない

遠くで楽しそうな人集り

広がる青空に偉大な太陽

僕は目を塞いだ


でも口だけは塞がなかった

僕は此処にいると叫び続けたから

無機質で無神経な他人にでも

無慈悲で無感情な動物にでも

なんでもいいから気づいて欲しかった


そんな僕を差し置いて

みんなは遠くへ行った

大きな大きな箱の中で

僕だけが取り残された

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ