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星座士〜魔法犯罪科零支部〜  作者: 柚月
閉じた世界の入り口
8/25

涙の粒

「楓、俺はいなくなっちまうけど頑張れよ」




ゆうすけにぃ、培養器の中にいる俺に言っている





"なんでだよ

なんでそんな簡単に自分の命を捨ててでも助けんだよ

ふざけんなよ

なにを頑張ればいいんだよ

誰もいなくなっちまったら俺はどうすればいいんだよ"





俺は泣き叫んだ

そんな声も幽体も誰にも届かない

響かない




ゆうすけにぃを掴んで止めようとしてもすり抜けてしまう





"自分だけ強がってんじゃねぇよ

ゆうすけにぃもまさにぃも"





どんなに叫んで訴えても響かなかった




ゆうすけにぃ達は培養器に手を触れた





「「「繋がれる(チェーンアライブソウル)」」」




培養器は光りだした



そしてついている管にゆうすけにぃの魔力が俺に流れた





そしてどんどんゆうすけにぃの身体は薄くなっていく





ゆうすけにぃが消えちゃう




そんなのはやだ



「俺、もうどうしたらいいかわかんねぇーよ

もうやめてくれよ

俺のために死ぬのはやめてくれ」



俺は泣き叫んだ

聞こえるはずのない声はどこかに消えていった



"やめて

俺を...

俺を苦しめないで

何のために俺なんかを生き返せるんだよ

俺はいくつの罪の十字架を背負えば..."





この距離なら届くはずなのに、誰にも聞こえない






「ごめんな楓

もっと色んなこと教えてあげられなくて

あの時の約束守れなくてごめんな」






"嘘つき..."





俺は涙が止まらなくなった

いくら涙が零れても、どんどん出てくる



「1人には絶対しないって言ったのにな

ごめん...













けど、楓は一人なんかじゃない

友達がいるからな」






そしてゆうすけにぃ達は消滅してしまった







「ははは

はっはは成功だ

半永久魔力被験兵器

こいつらを器にして最強の兵器ができるとは

あんなに情の強い奴らを集めるのは実に容易かった



感謝しよう

あとは感情も記憶も消えてれば完全に成功だ」





"えっ?

騙されてた...


全部は自分のため?

ゆうすけにぃ達はそんな兵器とかくだらない物のために死んだの?






そんなのふざけてるよ

約束したのに...

まさにぃに一生守るって約束してたのに...







俺は幽体の体で肉体に入った


バキッ、バキバキッ、パリィーン


培養器を割り、飛び出た


溶岩流星群(マグニックメテオ)






ラボに溶岩の流星群が降り注いだ



「計算外だ

失敗のはずがない」






消えろ、消えろ

こんなふざけた計画も発端者も全部だ



隕石がどんどん建物を破壊していく



そしてラボは崩壊した





舞夏と青桐は目を覚ましたが現状を理解していなかった



「何なの?

これ?」





「これが現実だ」


舞夏や青桐に説明した



倒壊したラボから出て俺達は歩き出した

想いが交差してしまった未来に一歩ずつ

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