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星座士〜魔法犯罪科零支部〜  作者: 柚月
閉じた世界の入り口
4/25

理由

「さぁ案内してくれ」


俺がそう言うとクロハは渋々歩き出した

クロハは色々教えてくれた



「星座士には特別な部室のような部屋があった

その部屋は元々生徒会室とは真逆の位置に作られた

部屋には12個の椅子だけ

その部屋ももう3か月ぐらい誰も入ってない

そして楓さんが拠点としてるのは廃校舎の体育館だ

授業のない時間はいつもそこにいる」




「じゃあ星座の力について教えてやるよ

俺たちは全員心に何かを抱えてる

それが星座とリンクしたんだ」



「海堂は説明が下手んだから僕が言うよ

星座にはそれぞれ意味が込められています

海堂の場合は牡牛座です

昔から海堂は空気を読むのが得意じゃなかった

だから孤立することが多かったんです

けど僕たちは楓に誘われて仲良くなりました


海堂は関わりがなくなり、また孤立し始めた時に力に目覚めました

楽しい時間を取り戻すために

祈りは破壊

現状を壊したかった海堂の願いが牡牛座になりました


しかしそれは良い面だけではないんです

代わりに代償として幸せな時間の一瞬が過去のトラウマがフラッシュバックするようになってしまいました

あらゆる万物を壊すことができる

壊せば壊すほど過去のトラウマが強くなっていく

それが海堂大知の牡牛座の力です」




「なるほどな

じゃあ楓さんもそういった力があるのか」



そう言ってるうちに廃校舎の体育館についた



「ここか?」



「あぁ」


そこは異様な雰囲気を醸し出している

強力な魔力が体育いや空間を覆っている



「じゃあ入るか」



「それじゃあ俺は帰るぜ」


「なんでだよ?」




「は?

俺は関わるのはごめんだ」



「面倒なことからは逃げるのか?」



「やめとけ

海堂‼︎」


涼は首を横に振って言った



クロハの顔は怯えた顔をしていた

今にも後ずさりしそうな体勢で


どうしてここまで楓を恐れる?


「俺も行ってここで楓さんと問題を起こしたら俺が目をつけられる」



「立ち向かおうぜ

俺たち三人も立ち向かおうとしてるんだ過去から」


俺は言った



「俺は楓さんに入学して最初に向かって行った

けど楓さんは俺の魔法にあたりすらしなかった

それどころか...

あんな魔法...」


まさか入学した時から?


「どんな魔法だった?」



「うまくは説明できない

けど楓さんは化け物のようだった」


やっぱり違うか


「あぁやっぱりか」

と涼は笑った


「何が可笑しいんだ」


クロハの目は本気で怒っていた


「上手く騙されたな

楓の能力で幻術を見せられたんだよ」


俺が言うとぽかんとした顔をしていた



「じ、じゃあ俺が見たのは幻術だったのか...」


クロハは余計に楓を恐れたが、結局ついていくことにしたようだ


4人で体育館の扉を開けた


そこには楓ともう一人いた

キースってやつだろう



「また懐かしいやつらが来たな

しつこいぞ海堂」



「まぁ怒るな楓

まずは話そうぜ」



「お前らの顔見ると虫唾が走る

昔の楓はもういないんだ」



「しょうがないな

話すらできないか」


「牡牛座 ラキド=タウロス召喚」


現れたのは牛のようなツノの生えた人だ

俺の相棒だ

この人は元々ぬいぐるみだった

星の力で本当の相棒になれたのだ



「これを見てまだ空想って言える?」



涼は尋ねた



「空想だろ」


楓は顔色ひとつ変えない

海堂は召喚した人をまた消した



「突け 牡牛座」



牛の形をした波動が飛び出た

そして楓に向かっていき、消えた


やっぱり結界で魔法がかき消された


「欺け 蠍座」


空間が歪み怪物がたくさん出てきた

その怪物は共通して目が包帯に覆われている


多分これだろう

クロハは腰を抜かしている



「やっぱりお前も目覚めてるのか」



「違う

これはただの能力だ」


「自分だってわかってるんだろ」


「じゃあ誰を信じればいいんだよ

みんな変わっちまった

昔の俺たちはいない

それに俺は人を不幸にする」



「先生のことか?」



「それを口に出すな」





「迷惑なんだよ

大切だからとか

俺のせいで死なれるのは」




「...」



「先生はお前が好きなんだろう

嫌いだったらそんなことしない」



「だから迷惑なんだよ

俺の代償は犠牲

先生を犠牲にしたんだ

俺は裏切ったんだ」



「何言ってんだよ」




「犠牲にしたことは変わらない」



「もう自分を「帰れ」



「まだ話は「奏天流 抜刀「大知帰るぞ」




俺は無理矢理、涼に引っ張られた



「楓、俺のこの星の能力は、神聖(ハギア)なる(アックス)奮迅(シェルト)

俺はお前が救ってくれたように今度は俺がお前を救う

この手に入れた能力で‼︎

お前の現状を壊して、また楽しく学校生活したいから

諦めねぇーからな」




俺たちはしょうがなく体育館を出た


あのままバトルになってたら普通のバトルじゃ済まない

あの体育館はかなりヤバイ

色々な結界が仕掛けられてる



「怒らせちゃっただけだな」



「情報があまり得られなかったじゃねぇーかよ」



「どうするんだよ

あんたら」



「ここは僕の出番だね」


睡夢はニヤッと笑った


「何すんだよ」



「まぁ見てろって」



「見破れ 牡羊座」



そう詠唱すると睡夢の左目が蒼に変わった



「何してんだ?」


「睡夢の牡羊座の祈りは睡眠

こいつの力は分析と眠りなんだ

つまり、眠らせる能力と分析する能力を持ってる」


「分析の能力は魔法、能力を調べたり、一定時間の監視ができる

スターネットワーク」



「ストーカーだな」



「しょうがないでしょ

僕の代償は死角

常に誰かに見られてる感覚になってしまった

それが逆に星の能力になっただけ


でも星座の能力を使うより、田村先生の能力があれば楽なんだけどな」



「田村先生の能力?」



「田村先生って言うよりは楓だな

楓の能力は、月に(ムーンブライト)せられた(ジャム)

視界蹂躙の力だ

それで楓は過去視、透視、幻覚を見せることができる」


「なんで楓さんがその田村先生って人の能力を持ってるんだ?」



「それが楓の能力なんだ

愚者(インチキ)英雄(ヒーローズ)

自在に武器を操る力、殺した人間の能力を奪う力、楓は優先的に継承の力も持ってる」



「そんなゲスい能力を...

チートじゃねぇーかよ

重複して継承の力持ってるのか

楓は田村先生ってひとを殺したのか?」



「いや楓は星の力だけだと思うぜ

先生は事故でな

楓の魔力が暴走して、止めようとして先生は死んだんだ」



「そうなのか

でも待てよ

そんな力あるな見てることバレないか?

それに結界が多重に張られてるからかき消されるだろ」



「俺はあらゆる万物を壊すことができるんだ

結界なんか帰り際に全部破壊してやったよ」



「楓は眼の力を使いたがらないんだよ

絶対にサングラスを人前で外さない」



「眼の能力を使わない?」



「あぁ楓の眼の能力にはちょっと厄介なんすよね」


涼は苦笑いで言った



「人の心の声を聴く力」



それは直接的に目を合わせた人に勝手に発動する能力らしい






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