闘牛登場
さらに1週間後
俺たちはまた集まることになる...
side海堂
オールバックに銀の十字架のネックレス
そしてガタイがデカイ
いかにも不良感が出ている見た目に対し、その脳内は毎日お祭り状態
そんな馬鹿っぽすぎる俺を一言で表すなら熱血
とにかく俺はすぐ熱くなる性格だ
俺はある事情によりイーストサンライズに転校してきた海堂大知だ
友達と3人でこの学校にやってきた
その事情とは三人で昔の仲間に会うために...
まずは月影楓
そいつは俺たち12人が小さいガキからの仲間のリーダー格
トウマ
1番真面目で優秀
...
とにかく残り9人全員集めないと...
けど全員、相当な変わり者だ
楓なんか中学生の最後では髭を生やしてきてたようなやつだ
楓は出会った時から先生になりたいって言っていた
憧れてる人がいるからだ
楓には複雑な家庭があった
本当の父親と父親の弟子だった父親が二人
楓は魔法によって作られた人間だ
本当は普通の母親がいて、父親も1人だけいるごく普通の家族になるはずだった
だが流産だった
生まれたときにはもう遅かった
楓は双子で弟がいる
母親の月影美空は自分を責めて死に、父親の月影御堂はどうにか楓と双子の弟の青桐を助けようと禁忌とされる生命の魔法を使おうとした
しかし禁忌である魔法なため二人分を生き返らせる魔力などあるはずなくて、そこで弟子だった有罪雄典、田村昌大に頼んだ
楓を3人で生き返らせ、青桐は御堂さん一人の魔力で生き返らせた
代償として楓は片方の目もとに傷ができた
青桐は片耳が聞こえない
多分、楓の中にいる何かが目を奪うのを守ったらしいってのは聞いたことがある
それは置いておいて楓には三人の魔力が流れてる
楓には三人の父親がいることになる
けど全員死んでしまった
楓は理由を人に話したがらない
二人とも楓を溺愛していた
二人は俺らの中学で先生をしていて、俺もお世話になった
二人共、魔導士としても優れた人だった
とにかく俺は楓に...
全員に...
俺はホームルーム終わり、楓がトイレに入る所を追いかけた
扉を開けると目の前に立っていた
「ストーキングは楽しいかい?」
楓は馬鹿にするように笑いながら言った
「楓、驚かすなよ」
「久しぶりだね何しに来たの?」
楓は背を向け、小便器で用を足した
「睡夢と涼も来てる
俺たち謎が解けたんだよ」
楓は振り向くとまた馬鹿にするように笑った
「あぁまだ昔話の続きやってたんだ
あれは中学生の空想に過ぎないんだよ」
馬鹿にするように言った
手を洗い楓は出ようとした
「本当はわかってるんだろ」
俺が迫ると楓から笑顔は消えた
「うるせぇーよ
俺はもう抜けた
だから俺に関わるな」
「ほらまた12人でさ
昔みたいに...」
ボソッと楓は言った
「もう空想ごっこは流行らないよ」
そう言うと楓は行ってしまった
「おい、かえ...」
俺が声を掛けようとした瞬間誰かに口を閉ざされた
背後には男子生徒が一人
「お、おい
気軽に話しかけちゃダメだ」
「どういうことだよ」
「この学校では声をかける人を気をつけろ
楓さんはこの学校が誇る魔導士の1人だ」
「でも俺は楓とは昔からの...」
「関係ない
階級がある限り、気軽な行動をしたら消される」
「てーゆうかお前は?」
「俺はクロハ=セブンマンス」
「俺は海堂大知だ」
「特に楓さんには入学当初色んな奴が絡んで行った
みんな返り討ちにあった」
クロハは真面目な顔で言った
「じゃああいつはいつも一人なのか?」
「最初は仲間がいっぱいいてみんな強くて学校中の有名人だった
最近はバラバラだ
キースってやつとなら一緒にいる所をよく見るな」
「じゃあ御影舞夏や弥七礼御か?」
「お前は何者なんだ?
星座士に詳しいな」
「星座士?
なんだそれは?」
「星座士の名前を出したと思ったら何も知らないのか?
おとぎ話と言われている
幻の魔法」
「星座士のおとぎ話は知ってるが、俺は中学まで一緒で仲よかっただけだ
ここでのことは知らない」
「この学校の最強グループだ
星座士は、星座の力を持つ12人の魔導士グループさ
だがこの学校には7人しかいない
2席 蠍座 月影楓
6席 乙女座 東条隼人
3席 獅子座 弥七礼御
5席 蟹座 御影舞夏
1席 水瓶座 不二谷トウマ
9席 双子座 紫吹慎
10席 射手座 凪乃日向
7人は入学当初は仲の良いやつらだったさ
なぜか6人になり、気付けば誰も12席に座らなくなっていた
7人に何か起きたんだ
それで月影楓は今に至る
お前、星座士を昔から知ってるんだろ?
何かわからないのか?」
「やっぱ俺と同じ身になったか?
元々12星座を元に俺らは結成した
だけど特別な能力を持ってるわけじゃなかった
簡単に言えば本当に特別な能力に目覚めたんだよ」
「夢が現実になった?」
「あぁ
おとぎ話を真似ていたら叶ってしまった
しかもそれには祈りと代償がある
ま、いずれわかるさ
あ、忘れてたな
7席 牡牛座 海堂大知」
「星座士...」
「知ってるのは、昔に決めたことだけだ
この学校、広すぎるし来たばかりで何もわからない
6人の居場所とか案内してくれねーか?」
「あぁそれは構わないが
さっきは星座士を知らないようなこと言ってたのに知ってるじゃねーかよ」
「あぁわりぃーな
星座士って名前は初耳だった
元々名前は存在しなかったからな」
「じゃあ案内するぜ」
「あ、ちょっと待て
おい、お前ら行くぞ」
いきなりこの学校の制服を着た見慣れない生徒が2人どこからともなく現れた
3人の転校生ってこの人達か
「あいよ
うるさいな大知は本当」
「そうそう品格がないし」
「うるせーよ品がないは余計
ほら自己紹介な」
「はい11席 牡羊座 平木睡夢」
「8席 魚座 波羽瀬涼」
「星座士が三人も?」
「本物だ」
俺は言った