ロード
人はみんな何かを背負ってる
それはいい意味でも悪い意味でも
誰にも言えない過去がある
知られたくない秘密がある
すべて人それぞれだけどみんな抱えている
それはどんな世界でも同じ
魔法を使える世界でも
魔法の始まりはなんだったのか?
魔法とは何なのか?
少年少女はそう尋ねる
魔法とはすべてなのだと大人は答える
少年少女にはまだわからない
だが小さな頭で考え、成長して答えを知る
魔法があっても悩みは消えない
少年少女は答えを出すために進まなければいけない
それは決してまっすぐ平らな道ではなく、でこぼこで曲がりくねり、急な上り坂があれば下り坂もある
その道を行けば絶対に答えに辿り着くかはわからない
だけど何かは見つかるはず
少年少女はそう信じて歩き出す
悩んで答えを出していく切なく淡い魔導士達
12人の少年らは中学を卒業後を気にバラバラになっていった
8人は同じ高校に進学したが、その8人の仲もバラバラになっていった
あることをきっかけに少しずつだが仲が元に戻り、全員の止まった時間は少しずつ動き始める
主人公 月影楓は魔法犯罪科零支部のメンバー
魔法犯罪を取り締まる彼には秘密がある
20x1年 9月
ある少年はきらびやかにネオン光る歓楽街を一望できるビルの屋上にいた
ヘッドホンをあててる少年に中年のおじさんが話しかけた
「綺麗に見えている街は相も変わらず汚ねぇと思わないか?楓?」
楓said
「あぁ汚いよ
生き地獄だ
こんな街で生きているもっと汚い俺への天罰だ」
俺はそう自分を嘲笑するかのように言った
俺に聞いてきたのは保坂尚嗣
俺の担任であり、魔法犯罪科零支部の先輩でもある
「まだ楓、昔のこと引きずってるのか?
死んだ人間は基本生き返らない」
昔のことというのは二つの事件と2人の教師だ
俺の消したくても消せない過去
消せたらなんて楽なんだろう...
「じゃあなんで俺を助けたんだと思う?
あの人たちは義理の父親なんだぜ
本当の父親じゃない」
その2人は教師であり、父親だ
「大切なのは血の繋がりじゃなく、心じゃないか?」
「俺にはよくわからない」
そう言って飛び降りた
「まぁいいさ
いずれ分かるよ」
保坂先生はそうボソッと言っていた
俺は、ビルの壁を飛び、路地裏で闇売買をしている売人のところへ着地した
「取引現場見っけ‼︎」
「か、楓さん⁉︎
これは...
見逃してください...」
「魔法規約第51条 違法ルートにおける魔法道具、武器、禁忌魔法の売り買いを禁ずる」
「こんなところじゃ捕まらねぇ
ブラックトラップ」
俺は黒い箱に閉じ込められた
5年前に発売され販売禁止にされた魔法道具か
俺はポケットから試験管を取り出し、液体を垂らすと箱は消えた
これはあらゆる道具の魔力を一時的になくす道具
一応禁止魔法道具だ
俺は急いで追いかけた
あいにく売人が向かった先は行き止まりだった
「ゲームオーバー」
俺はそう告げると、姿を変えた
だんだん大きくなり怪物のような姿になり、拳を振りかざすと売人は気絶していた
俺は元の姿へと戻った
いや元の姿のままだった
男が見たのは幻覚だ
「退屈だ
この世界は....」
「か、楓‼︎」
振り返るとそこには懐かしい顔がいた...