68:嫉妬の炎はいつだって一方通行
行きと同じように空間のひずみを通ってシェパに戻ると、ボス(仮)を見失ってオロオロしていたジドゥリがオーリを見つけてすっ飛んできた。
途中から折れた柱の一部が埋まるその周辺、そこで唐突に消えたオーリたちを探してうろついていたらしい。目尻を垂れて喉を鳴らしながらオーリにすり寄るジドゥリは何とも健気で、元より動物が嫌いではない彼女はあっさり手のひらを返し、「これやっぱり屋敷に持って帰れないかな」とちょっと真面目に考え始めた。
「――よく言いますね。『便利な乗り物ゲットしたぜヌヘヘ』とか言ってたくせに」
「ヌヘヘは流石に言ってない」
真顔で異議を唱えたオーリに、ラトニが面白くなさそうに鼻を鳴らした。
岩や木がまばらに見えるだけの一帯は、誰かが近付けばすぐに分かる。
辺りに人影のないことを確認し、少年はだるそうに溜め息をついて帽子を脱いだ。
「懐かれても困るとか言っていたのに、弱った顔を見せられるとあっさり陥落する。まさかジドゥリハーレム作る願望まで芽生えたわけじゃないでしょうね」
「イヤイヤ、確かにちょっと可愛いとは思っちゃったけど、それはこのジドゥリ限定だからね? 別にジドゥリに囲まれたい熱烈な欲求とか持ってないから」
「どうだか」
唇を歪めて舌打ちされ、オーリはそろっとジドゥリの頭から手を離した。アレ、なんか機嫌悪化してるぞこの相棒。
――相手が雄でも動物ならば多少懐かれても構わないが、己を差し置いて手元に置きたがるほど心を向けるのは腹に据えかねる。
そんな複雑なラトニの心情など分かる由もなく、オーリは「つい数時間前までしれっとした顔でおちょくってきたくせに……」とぼそぼそ呻いた。
一方一頻り撫でられて満足したらしいジドゥリは、対照的に機嫌良さそうにふらふらと体を揺らしながら再び散策に戻っていく。
それを見送り、恐る恐るラトニに近付いて額に手を当ててみれば、彼は小さく「獣臭いです」と文句を言ったものの、前髪の下から現れた眉間の皺は、オーリと目を合わせて僅かに浅くなった気がした。
知性の色濃い怜悧な少年の顔に、まばらに染めむらのある髪がはらはらと落ちた。
「んー、熱はないね。あるのは目眩と疲労感だけ?」
「ええ。なんだか妙に疲れました……転移なんてしたのは初めてですけど、こうも酔うものなんですね。オーリさんの体調は崩れていないようですが」
「私は全然。まあ、身体ならラトニより遥かに頑丈だからね。キミは気疲れもあるんじゃないかなぁ? こんなに長期間大人と一緒に行動するの、これが初めてだしさ」
「そうかも知れませんね。……すみません、僕ももう少し、大人に慣れなければと思ってはいるんですが」
「いいよいいよ、人見知りの子供なんていくらでもいるし、キミなんてまだ七歳じゃない」
額に触れる体温に、ラトニが気紛れな猫のようにすり寄ってくる。
少年の機嫌が上を向いたらしいのを見て取って、オーリはほっと肩の力を抜いた。けろりと笑ってラトニの頭をかき回せば、ラトニは琥珀色の目を細めて彼女の手を甘受する。
――ラトニが大人を厭うていることは知っているし、元よりアリアナに同行すると決めたのはオーリの都合だ。
数日以上に渡って近しく接しなければならないという意識の故か、思い返せばラトニは随分とアリアナに気を使っていたように思える。
人見知りと言っても会話は充分成立していたし、本来ラトニはその口調と言い、歳の割に礼儀正しい少年だった。尤もその分、気を抜くことの出来ない状況は、彼にとって確かなストレスとなっていたのだろうが。
「それに、今回は私の方が大きいミスしてたしね……」
「鳥の巣に手を突っ込んだことですか? それもジドゥリを引き入れたことで挽回がきいたと思いますけど」
「マッスル四郎に感謝だね!」
「完全に固定されているその可哀想な名前、僕は絶対に口にしませんからね」
「わあ、視線の温度が一瞬にして氷点下」
とことん冷ややかにツッコミを入れられて、オーリはひくりと笑顔を引きつらせた。
氷の精霊が間違って人間に生まれてきたようなラトニの美貌は、冷たく見下した表情が実によく似合う。
その分ダイレクトに食らうと見事に心を抉ってくるのだが、逆に妙な扉を開ける輩も量産しそうだ、などと現実逃避に下らないことを考えながら、彼女は「そんなに……私のネーミングセンスはアウトですか……」と肩を落とした。
「…………」
道化た仕草で落ち込んでみせるオーリを見つめて、ラトニは数秒沈黙し、
「――ぶしっ」
ぎゅっと鼻を摘ままれて、オーリの鼻孔からヘンな音が洩れた。
「…………」
「……アウトか否かと聞かれれば紛れもなくアウトですが、別に直せとは言っていませんよ」
何をするんだねと言いたげなオーリをじっとりと睨み据え、ラトニは唇を尖らせて告げる。
「と言うか、普通に格好いい名前とか、あなたが誰かに付ける方が不愉快です。どうして今更と思うので」
――今とは違うかつての生で、名も無い孤児の名を呼びたいと言ってくれた灰色の瞳の少女は、もういないけれど。
あの頃から全く成長していないネーミングセンスを持った、青灰色の瞳の少女がここにいる。
「……僕に対してはわざとやってんのかと思うようなアホな名前ばかり連呼してきたんだから、今更他人に真っ当な名前をくれてやるなんて絶対に許しません」
ほんの一瞬、伏せられたラトニの瞳が深みを宿し。
ぽそりと低く付け加えられた台詞に、オーリはぱちくりと目を瞬いて――。
「……『ラト』って呼び名に到達するまでに通過した私の数多の提案は、そんなに気に食わなかったの?」
「『どうせコードネーム付けるなら格好いい方が良いよね! ダークインフェルノとかどうかな!』とかドヤ顔で言われた時には、あなたの頭を真っ赤に染めてやろうかと思いましたね」
「DV危機一髪!?」
ダメでしたか! そんなにダメでしたか! 途中何回かラトニの目が激しく周囲を見回してたような気がしたけど、あれってひょっとして手頃な鈍器を探してたんですか!
表情の薄い顔を一転して激しくしかめ、ラトニは舌打ちをして帽子を被り直した。
横目でじろりとオーリを眺め、声色を変えて問いかける。
「――ところで話は変わりますけど、オーリさん、帰り道ちゃんと覚えてますか?」
「あっはっは、やだなあラトニ! あんだけガツガツ走り回って、道なんか覚えてるわけないじゃない」
「そんなこったろうと思いましたよ」
威張るなバカ娘。スパンと一発頭をひっぱたき、ラトニは深々と溜め息をつく。
「まあ、僕だって別に覚えてるわけじゃないんですけどね……」
「なんで私ひっぱたかれたの? 仕方ないよラトニ、ここはマッスル四郎に送ってもらおう」
「イラッとしたからです。不安はありますがそれしかないでしょうね」
「イラッとしたら相棒ひっぱたくのか! むしゃくしゃしたら校舎中の窓ガラス叩き割るのか!」
「いきなりテンション跳ね上げるのやめてくれません?」
オーリの脇腹に人差し指を突き込んで黙らせて、ラトニはうろつきながらもちらちらこちらを窺うジドゥリに視線を送る。
「乗るのが子供二人なら、先程よりは重くもないでしょう。なるだけ人目につかない所……そうですね、初めてアリアナさんに会った池の辺りで降ろしてもらいましょうか」
「それが妥当かな。それ以上街に近付くと人に見られちゃうしね」
うんうん同意するオーリにラトニは肩を竦め、ジドゥリの方へと踵を返した。
「ええ、だから気をつけましょう。『天通鳥が鳥型魔獣を手懐けた』なんて話が広がったら、天通鳥=妖怪説に拍車がかかりそうですからね」
本当にそうなった。
※※※
「――まさかタイミング良く池で素潜りしてる村人がいるとは思わなかった……」
小一時間後。
げっそり肩を落としながらシェパの雑踏を歩くオーリの隣を、こちらも心なしかげんなりした様子のラトニが歩んでいる。
「あれは気まずかったですね……。空気が固まるって、ああいうことを言うんでしょうか……」
「シュールなんだかホラーなんだかよく分からない光景だったね……。本気で幽霊かと思っちゃったよ……」
何せ、池の傍にオーリたちを下ろしたジドゥリが駆け去っていくのを見送った後、振り向いた二人の目に映ったのは、鼻から上を水面から出し、瞬きもせずにじいっとこちらを凝視する顔色の悪い男の姿。
近隣の村人が魚を捕るために池に潜っていたらしいが、どう見ても水場に出没する地縛霊な顔と目が合って、オーリは正直ちょっと心臓が止まりかけた。て言うか、呼吸に至っては三十秒くらい本当に止まっていた。
「幽霊じみたおっさんに『天通鳥……やはり妖怪だったのか……!』って言われた時には相当リアクションに困ったけど、あの人本当に違うって分かってくれたのかなぁ」
「妙にダンディーな声の人でしたね。潜水のせいで顔色が悪くて見た目が水場の地縛霊だから、違和感が果てしなかったです」
冒険者ギルドの方から聞こえてくる喧騒を耳に入れながら、二人は一足早い晩酌を始める客が入り始めた酒場や食堂の前を通り過ぎ、露店や食料を取り扱う店の立ち並ぶストリートの方へと踏み込んでいく。
安売りでもしているのか、今日は肉屋が繁盛しているようだ。景気のいい呼び声と、商品を物色する奥様連中の喋り声が聞こえていた。
「まだ日暮れには時間がありそうだね。ねえ、これからジョルジオさんの診療所に顔出して――」
「――おい、キリエリルー!」
提案しようとしていたオーリは、不意に聞こえてきた呼び声に口を噤んだ。
一瞬だけ流しかけ、それがラトニの姓であることを思い出して隣の相棒を見る。当のラトニは、
「どうしましたリアさん、早く診療所に行きましょう」
「なんで速度上げたの?」
振り返るどころか呼びかけを認識した素振りさえ見せず、ズタズタズタと前のめりに高速歩行を始めた相棒に、オーリは訝しげにツッコんだ。
「何のことを言っているんだか分かりませんね。幻聴でも聞こえましたか? リアさん、あなたの聞いたナニカというのは、もしかしてあなたの頭の中だけに存在するものではないでしょうか」
「妄想呼ばわりされてイラッとするより、キミの見事な拒否っぷりとチベットスナギツネみたいな無表情の方に驚いた」
うわぁと呻いたオーリの眼前で、指摘されても尚諦め悪く足を止めないラトニの腕を、子供の手がひっ掴んだ。
勿論オーリの手ではない。雑踏を縫って追いついてきた、二人より三つ四つ年上らしき人物だ。気が強そうに吊り上がった目と、二人より幾分大柄な体格を持つ、どことなく見覚えのある少年だった。
見た目の通り、小柄なラトニを強制的に立ち止まらせる程度には腕力に差があるらしい。目をぱちくりさせたオーリの隣で、進行を強制停止させられたラトニが力一杯舌打ちした。
まことに不快であると言わんばかりの態度に、顔を引きつらせた少年は半泣きの様子で食ってかかる。
「だっから呼んでんだろーが、キリエリル! お前、オレのこと無視するの何十回目だよ! たまには振り向くくらいのことしろやー!」
「うるさいですよ、何十回も無視される前に諦めれば良い話でしょう。と言うか、僕はあなたに用なんてないんですけど」
「何だよバカヤロー! た、たまにはかくれんぼにでも誘ってやろうかと思っただけだっつーのに!」
「じゃあ僕が鬼やりますね、ほら早く隠れてください」
「探しに来る気ないのが見え見えなんだけど!?」
使用済みティッシュよりも適当にあしらわれて悲痛なツッコミを入れる少年に、ラトニは面倒くさそうに溜め息をついた。
――ゼファカ・サイニーズ。
このガキ大将がラトニに纏わりつくようになったのは、双頭の大蛇と出会った事件が終息した頃の話である。
己がこの街に来た当初からしつこく手下を率いてちょっかいをかけられ(勿論がっつりやり返したが)、最後は死ぬほど怯えさせた記憶しかないこの少年が、一体どんな風の吹き回しで懐いた犬の如く自分に寄ってくるようになったのか、ラトニは正直理解できない。
(大体、そんなに構って欲しいのなら、僕がオーリさんに会えなくて暇な時に――は大体ジョルジオさんの診療所に行くから、ジョルジオさんが忙しい時――は本を読んでることが多いですね、じゃあ孤児院に籠もってる時――は孤児院の仕事もやらなきゃいけないし、それが終わった後――は魔力操作の練習をしてますねいつも。あ、やっぱりこいつに構ってる時間ないです)
あれこれ日常を思い返して一人で自己完結したラトニに、ゼファカは「お前、なんかひどいこと考えただろ!」と叫んだ。
「毎回毎回体よくあしらいやがって、口と付き合いが悪過ぎるぞ! オレはお前と、その、ダチになりたいと思ってるのに……!」
「部屋の床の木目を数えるくらいしかやることがない時なら構ってあげますよ。今は論外です、一秒でも長く彼女と話していたいのに」
そう言われて、ゼファカは初めて少年の隣にいる少女が雑踏の一部でないことに気付いたらしい。
オーリを振り向いて一拍固まった顔に、見る見る赤い色が昇っていく。ばっとラトニから手を離したゼファカは、ぱくぱく口を開閉し、しどろもどろに視線を泳がせた。
「お、お前、いつからそこに――じゃない、ラトニ君にはいつもお世話になってまして、いや違う、えっと、その、お前、名前は――」
「僕をファーストネームで気安く呼ぶなと言ったでしょうこの海綿頭。彼女の名前なんて教える必要はありません、彼女は足の裏から酸っぱい臭いのする男なんて好みじゃないんで」
「あたかもオレの足裏の臭いが酸っぱいみたいな言い方やめてくんねぇ!?」
――が、特定人物に関してのみ極めて心の狭いラトニに、横恋慕野郎に対する慈悲も容赦もあるはずがなかった。
酷い風評被害に絶叫するゼファカに、ラトニはフンと鼻を鳴らしてそっぽを向く。
ラトニは、ゼファカがオーリに淡い想いを抱いているらしいことを知っている。
しかし、それはラトニの心の壁を鋼鉄の如く硬くはすれど、同情や親近感なんてヌクモリ溢れる感情など到底湧き出ようはずもなく。
(オーリさんがこいつに揺らぐことなんてないとは分かっていても、不快なものは不快なんですよね。早く諦めれば良いのに)
て言うか、さっさと振られれば良い。未練なんて一ミリも残らないくらい、綺麗さっぱりと。
――と。
ぽん。
ラトニの肩を、オーリの手が軽く叩いた。
注意を引くようなその仕草に、ラトニは完全に興味をゼファカから切り離す。
無視してしまってすみません、さっさといつもの空き地に行きましょう。
そう告げるために、ラトニは少女を振り向いて、
「!?」
やたら慈愛に満ち溢れた眼差しにビクッとした。
彼女の中で何かが化学反応を起こしている。そう察した時には既に遅く、オーリの唇から零れる言葉は最早ラトニには止められなくて。
「ラト……今日は解散ね!」
「え゛っ」
オーリはあたかも、生まれた時から世話をしてきたツバメの雛がようやく巣立ちを迎える感動的なシーンを見守る飼い主の如き爽やかな笑顔でラトニに微笑みかけている。
一方ラトニは、生まれた時から世話をしてきた可愛いヒヨコがある日突然ダチョウに進化していたのを目撃した飼い主の如き引きつり声を上げ、何故そうなったと言わんばかりの眼差しに呆れと諦めを等分に孕んでオーリに投げ返している。
「もう、一緒に遊ぶような友達がいたんなら早く教えてよ! 仲が良いなら一言紹介くらいしてくれてもいいのに、水くさいなぁ」
「今の遣り取りのどこ見て友達だと思ったんですか。ただの知り合いです」
「まったまたー!ラトのツンデレにもめげない人材なんて貴重なんだから、大事にしなきゃ駄目だよ! えーと、そっちのキミは前にも会ったことあったよね?」
「お、オレのこと覚えててくれたのか!? その、いつかはパン分けてくれてありがとうな! お陰で母ちゃんにも怒られずに済んでよ、感謝してるって言うか!」
「どういたしまして、うめじろう君! 私には男同士の話はちょっと守備範囲外だからさ、是非とも同性の友人として仲良くしてあげてね!」
「覚えてなかったよ! オレはゼファカだって何回言ったら分かるんだよ!」
「ちょっと黙っててくれませんかうめじろう君、僕は彼女の誤解を解かなくちゃいけないので」
「その前にオレの名前に関する誤解を解けキリエリルぅぅぅ! お前が一言訂正してくれば済む話だろうがぁぁぁ!」
「黙ってくださいジャクソン君」
「お前オレの名前まともに呼んだこと一度もないよな!」
「呼んでるじゃないですかエリクソン君……ちょっとオ、リ、どこ行くんですかあなたは!」
言い争う少年二人に温かい視線を送りながらフェードアウトしようとしていたオーリを、ラトニが目敏く引き止める。
オーリは無言でぐっと親指を立て、キラリと歯の光る爽やかな笑顔を残して身を翻した。
ラトニの顔が本格的に引きつり、オーリを追いかけようとして、今日こそは逃がさないとばかりに縋りつくゼファカに邪魔をされてますます焦りを露わにする。
「今なんでサムズアップしたんですか!? 待って、聞いてくださいってば、あなた酷い勘違いをしています……!」
「酷いとは何だこの野郎! お前こそ待てコラ行かせるか、オレを放置してあの子とデートなんて許さねぇ!」
「あんた構って欲しいのか嫉妬してるのかはっきりしてくれませんか!? ちょっ、あなたは本当に待ってくださ……、……何してくれてるんですかこの野郎……!!」
例えるなら浮気がバレて恋人に縋る男と去りゆく恋人、及び浮気相手を交えた修羅場のような言動だが、三人の間に満ちている空気は殺伐としたものではなく、何処かのネジが数本抜けているような、ひたすらズレたものである。
鬼気迫る表情でしがみつくガキ大将の頭をラトニがぶん殴り、八つ当たりぎみに叫ぶ声を聞きながら。
息の合った遣り取りするコンビだなぁ、なんて、ラトニが聞いたら愕然とするようなことを考えつつ、オーリはストリートを後にした。
熱い男の友情に、イイ女は口を挟まないものなのである。
『呼んでるじゃないですかエリクソン君……ちょっとオ、リ、どこ行くんですかあなたは!』
→途中でどもってるのは、うっかり「オーリさん」と呼びかけて、それから「リアさん」と言い直しかけて、でもそもそも呼び名すらゼファカに教えたくないから最終的に名前を呼ぶこと自体やめたらしい。うちのヒーローは心の狭さに定評があるヤンデレです。




