第六歩 表裏
目を覚ました彼女が起こした騒動とは?
人間が住む国、地球。
いや、人間界。
その人間界と丁度重なるかの様に存在する空間、人間以外の生き物が住まう空間、魔界。
魔界には妖怪がウジャウジャと生存し、支配していました。
ある日その国に、それは美しい、珠のようなお姫様が生まれました。
その、姫の名は―――――――――------。
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「ん・・・ぅ・・・・・・」
未外の気配に感づいたのか、光の如き寝顔は、薄っすらと瞼を開いた。
宝石みたいな青い瞳。
虚ろ気に天井だけを、見つめた。
ガタッッ!
大きな物音が、無音だった部屋を一気ににぎやかにする。
「痛ぅ〜・・・何でこんなとこに椅子が・・・」
未外だ。
呆けた未外がふらついた拍子に足を躓かせたのだ。
その物音にビクッ と体を跳ね上げた彼女は、未外の事を少しの間だけ、見つめた。
「あっ・・・!お、お早うございま―――――ひぃっっ!!!!!」
裏声で悲鳴が上がった。
これもまた、未外のモノだ。
数秒前まではクッキリとしていた青い目が、鋭く殺気を放つ。
未外の首元には彼女の構える、ナイフの様に変形した刀が突きつけられた。
「あ、あの・・・・す、すすすすみません。でも、ほ、ほら出会いがしらに人殺しはマズイと思うんですよぉ。
お互い未来が広大に広がっているのに、その・・・こ、ここで駄目にしちゃうのも難だと・・・・。
そ、それにホラ!お、俺・・・あの、て、寺の住職だから殺したりしたらバチが当たるかも・・・・・・ひぎゃぁっ!!」
恐怖のあまり、理解不能な言動を繰り返す。
その間、さらに強く刀を喉に押し当てられ、再度悲鳴を上げた。
そこに・・・
「んだ、うっせーなー・・・・。ジャンプ貸さねーぞ?」
悲鳴に気付いた冷無が、居間から客室まで来たのだ。
「れ、冷無っ!!!」
嬉さと恐怖心が混ざった叫び声だった。
作中にジャンプが出てくる訳・・・・・プロフィール
を御覧下さい。