第十六歩 酒で殺して
飲酒は20歳になってから!
あの日の影を
追っかけて
もう 何年経つだろう?
数えた記憶すら 無いまま
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ヤクザさん(酒元さん)の一言により、状況は一変した。
「つまりは、さ。
私は、魔界っつって、あなた達の住む・・・まぁ、人間界って呼んでるんだけど、
この空間とは別の、全く違う環境からきたの
・・・・・ここから先は・・・長くなるけど・・・?」
雪姫は皆に何等かの了解を求めた。
コクコクコク
未外から冷無から、全員が縦に首を振った。
一息置いて。。。
「まず始めに、私が人間じゃ無い事前提で話を聞いて」
コクコクコク
もう一度首を縦に振る一同。
「・・・人間界・・・
つまり、人間が支配して良いと定められた空間の事を指すの
そして魔界は、この人間界と言う空間に重なる形で存在する空間
魔界では人間じゃない、もう一つの生物・・・・妖怪が、ウジャウジャ暮らしてる
私は、その・・・魔界の王血として生まれた
正確には――――作り出された・・・・」
この場に居た全員が凍りついた。
どうゆうことだ・・・と。
「魔血殺妖宝 雪姫として生をうけた私は、
それから20年も生きなかった・・・
18になった夜―――殺されたの・・・誰かに」
空気が張り詰める。
「でも、そこは・・・ほら、不老不死だし、生き返ったんだけど・・・でも・・・
やっぱり怖くて・・・強くなりたいって・・・思って・・・
家飛び出してさ・・・・人間界に逃げてきたの・・・」
これが、人間界に来た理由・・・?
誰もが思うだろう。
しかし、終わりでは、ない。
「来たのは良かったんだけど・・・時期が悪くて・・・ハハ・・・
戦争に捲き込まれたり・・・あと・・・そう、水難事故とか・・・
変な人に拉致られて、嫌な殺され方したり・・・
で、なんだかんだで、5回くらいしんじゃって・・・
最近生き返って、気付いたら妖気の濃い場所に・・・・ここに、いたの。」
沈黙がしばらく続いた。
そんな空気をぶち破ったのはもちろん、冷無だ。
「そうか・・・」
また沈黙。
それしか言いようないしな・・・。
「あ・・・なんか・・・何度もすみません
言いたく無い事を・・・」
未外が口を開いた。
「ん・・・いいのよ
望んだ結果だし・・・」
雪姫は、笑顔を絶やさない。
「・・・わ、悪かったな・・・なんか・・・その・・・
ま、いいって言うんなら、しつこく言わねぇけどよ・・・・」
冷無も、何処と無く流されている。
「そんな・・・固まんないでよ〜 太刀気くんらしくない」
「お前は俺の何を知ってる?」
「ま、まぁいいじゃないスか!
今日はパァ〜っといきましょう!
雪姫さん! お酒いけますか?!」
門下生の一人、森脇 岳矢が切り出した。
ちなみに19才。
「岳矢?!!!
君、未成年だろ!!」
師(仮にも)の未外はご立腹だ。
「おっ? 酒??
いくらでも入るぜ〜?」
「いやダメだろ冷無!
君までそんな事言っちゃぁぁぁ!!!」
「お酒平気だけど?
ジャンジャンいきますか!」
『ジャンジャンいきましょぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
活声が沸いた。
嗚呼、今夜は何処まで行くんだろ・・・?
未外は、何とも言えぬ心持ちで、彼等に付き合う事にした。
飲酒は20歳になってから!