第七章:「煽り」に乗らないことの強さ 〜沈黙と誇りが守る“推し”と“自分”の尊厳〜
SNS、コメント欄、配信タグ、匿名掲示板……
Vtuber文化の広がりとともに、目にする機会が増えたのが「煽り」と呼ばれる発言たちです。
•「◯◯はオワコン」
•「数字負けてんのにコラボとか迷惑でしょ」
•「◯◯の方が面白い。お前の推しは地味」
•「こんなのにスパチャしてて恥ずかしくないの?」
……これらは“意見”ではなく、“反応させるための罠”です。
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1. 「煽り」は反応が目的。だから、無反応が最大の拒絶
煽りは、相手の怒りや悲しみ、不安や反論を引き出すことで、
自分の存在感や優位性を感じたい人が放つ言葉です。
つまり、「反応してくれる人」こそ、煽りにとっての“養分”。
「何言ってんだこいつ」と反論したり、
「推しを侮辱するな」と戦ったりすることは、
皮肉にもその煽り手の目的に、結果的に“加担”してしまいます。
沈黙は、最も強いメッセージ
沈黙は「興味がない」「刺さらない」というサイン。
あなたの時間と心を“煽りのため”に差し出さないことが、最大の拒絶になります。
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2. 推しの価値は、数字だけで語られるものではない
登録者数、同接、スパチャ額、トレンド入り数――
確かに、数字は見えるし、わかりやすい指標です。
けれど、「推しの魅力」は、それだけで定義できるものではありません。
•配信外で見せる誠実さ
•ふとした雑談に感じる優しさ
•苦しみながらも続けてくれる姿勢
•ファンの言葉を覚えてくれる記憶力
•声に、表情に、演技に宿る“心”
数字に出ない感動がある。
あなたが好きになった理由は、きっと“数”では説明しきれないものだったはずです。
「数字で勝った/負けた」は、本質を曇らせる
推しは、数字で誰かを打ち負かすために存在しているわけではありません。
誰かの“生きる日々”を少しだけ照らす、光のような存在であるはずです。
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3. 「ファンであること」を、優しさと誇りで示すという選択肢
煽られたとき、
戦う代わりにできることがあります。
•「ありがとう」と言葉にする
•推しが喜ぶタグを回す
•良かったシーンを切り抜きに残す
•推しの“日常”を、静かに、丁寧に支える
それは、“黙って誇りを持っているファン”の姿。
争わないことで、自分の美学を守り、
推しの世界を“荒らされない空間”にしていく態度です。
推しの代わりに“殴る”必要はない
誰かが推しを貶したとき、
私たちはつい“正義感”で戦いたくなる。
でも――
推し自身が「そんなの気にしてないよ」って言ってるなら、
私たちも同じように、前だけを見ていればいいのです。
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まとめ:「沈黙」と「優しさ」は、煽りを越える力を持っている
•言い返さない強さを持とう
•数字で語らず、心で語ろう
•推しの居場所を“誇り”で守ろう
煽りに乗らないファンが増えること。
それは、ファンダム全体の品位を保ち、
Vtuber自身が安心して活動できる土台になります。