第一章:はじめに いま、V界隈で起きていること
推しがいるということは、人生に物語が増えるということだ。
推しが歌った、笑った、泣いた。今日も配信してくれた。……その一瞬一瞬に、自分の心が動いて、癒されたり、元気づけられたりする。
そうして気がつけば、「Vtuber」という存在は、私たちの日常にしっかり根を下ろしている。
けれど――その「好き」が、いつのまにか苦しみに変わってしまうことがある。
応援していたはずなのに、数字に一喜一憂して疲れてしまったり、ファン同士の争いや炎上に巻き込まれて心がすり減ったり。
推しが伸び悩んでいるように感じて、まるで自分の価値が否定されたような気持ちになったりする。
Vtuberを続ける側にも、見る側にも、いま確かに「こころの疲れ」が広がっている。
この文章は、そうした“見えにくい疲れ”を言葉にして、理解し、守るためのガイドです。
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推し活は「戦い」じゃない。
SNSを開けば「数字」が並び、タイムラインには「比較」や「勝ち負け」の言葉が流れる。
再生数、登録者数、同接、スパチャ額……。
それは、応援の証でもあるけれど、いつの間にか“推し活が戦場”になってしまう温床にもなり得ます。
この戦場に、本当に必要なものは何でしょう?
推しに勝ってほしい気持ちも、悔しさや焦りも、きっと誰かを愛している証です。
でも、愛することに「疲れる必要」はありません。
そして、比べられることで誰かが傷つく応援は、本来の推し活ではありません。
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このガイドでは、以下のことを言葉にしていきます。
•なぜファン同士の争いが生まれるのか
•なぜ数字で煽られると傷ついてしまうのか
•V本人が精神的に追い込まれる構造とは
•応援とはどうあるべきか。煽りにどう対処すべきか
Vtuberもファンも、“好き”を守るために何ができるのか。
そのヒントを、ここから一緒に探っていきましょう。