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-93- 麻雀
うっかり牌を切り損ねれば、「ロン!」ということになる。リチがかかっていれば安全牌を切って下りるに限るのだが、自分の手牌もよければ、下りたものかどうか…と悩ましいことになる。
とある会社の忘年会前の麻雀大会が開催されていた。その結果、最後の決勝へ進出した上位四名は、所属課の応援を一身に受け、卓に臨んだ。
長舟の手配は役満貫である字一色のイーシャンテンだった。枕待ちで、あとは白牌が一枚、捨てられるか自摸れば和了になるのである。だが、なかなか白牌は他家から捨てられず、自摸里も出来なかった。自模る残り牌も少なくなり、あと一巡で流局となる矢先だった。他家がうっかり白牌を捨てたのである。
「ロンっ!!」
長舟は興奮気味に当たりを宣言した。当たりも当たりで役満の大当たりである。白牌を捨てた他家は箱割れとなり大会は長舟の優勝で終局した。長舟は優勝トロフィーを手にし、ニンマリと哂った。
うっかり捨てれば、大当たりになるという麻雀のお話でした。^^
完




