表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/100

-92- 判断

 うっかり判断を誤れば、その後の結果は惨憺(さんたん)たるものになるに違いない。だから、間違いがない的確な判断を上に立つトップの者は求められるのである。

 牛川物産の最高経営責任者である餌倉に、この会社の命運をかけた判断が求められていた。今の状況が推移すれば、確実に牛川物産の経営は逼迫し、悪くすればヘッジファンドによるM&Aの危険性もなくはなかった。餌倉は一人、社長室の椅子の上で目を閉じ、どうしたものか…と思案に暮れていた。

「社長、そろそろお時間です…」

 秘書室長の葱岡が目を閉じて沈思黙考する餌倉に恐る恐る声をかけた。

「おっ! もう、そんな時間だったか…」

 餌倉は腕を見ながら呟いた。すでに夕方の五時が迫ろうとしていた。取引先である豚尾商産を食事接待する時間は午後六時からだった。餌倉は豚尾商産の実績に会社の命運を賭けていた。もしねこの判断に狂いがあれば、会社は確実に業績悪化の道を突き進むことは目に見えていた。ここは何が何でも豚尾商産との取引を円滑に進め、美味しい生姜焼きにせねばならないのである。

 一年後の牛川物産である。餌倉の判断は正しく、業績は回復して会社の経営危機は回避されたのだった。

 この場合はいい結果になったお話ですが、うっかり判断を誤っていれば経営は破綻し、会社更生法の適用ということになっていたでしょう。それにしても、よかった、よかった。^^


                   完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ