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-91- 怪我

 誰も怪我をしたくて怪我をする人はいないだろう。怪我などしたくはないのだが、うっかりして怪我をする訳だ。うっかりしなければ怪我などしないはずなのである。要するに間が抜けているのかも知れない。もっと稽古や修行をしましょう。^^

 大相撲の本場所が賑やかに始まっている。

『髭の里、本日から休場。したがって、禿の山の不戦勝であります…』

 館内放送が怪我で休場した力士の内容と不戦勝力士をアナウンスしている。場内から、…という溜息ともつかない残念な吐息が漏れる。

「股関節脱臼のようですね」

 アナウンサーが説明する。

「昨日、うっかり土俵下へ落ちたときでしょうね…」

 解説の親方が加える。

「立てずに車椅子で運ばれましたからね…」

「そうでした…。うっかりした怪我は身体が反応していない証拠です。もっと稽古やトレーニングで筋肉を鍛えないと…」

「ですね…」

 うっかりして怪我をするのは、そういうことのようです。一に努力、二に努力です。力士の皆さん。^^


                   完

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