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-7- 72才の別れ
今日で72才の別れか…確か、こんな曲があったな…と、梅木はふと、思った。昭和40年代のフォーク全盛時代に流行った、とある曲を思い出したのである。この時代に青年時代を送った人々が知らない者がない有名曲である。そう! ♪22才の別れ♪だ。^^
『一週間前は♪なごり雪♪が降ってたが、俺も今日で72才の別れか…』
梅木はポカポカ陽気の空気を吸いながら、また年を増やすのかと、テンションを下げた。子供の頃は年が増えて嬉しかったことに比べ、今はその逆だった。もう年はいらない…とは思ったが、作品をもっと残したい…とも思えた。その後、俺は五十年、いったい何をやってたんだ…と自戒した。人生をうっかり、忘れていたのである。^^
『ははは…もう遅いな』
梅木は虚ろに哂った。
うっかり、人生を忘れる… ^^ 梅木さん、あなたは大物です。^^
完