-63- 無理
無理はしない方がいい。老齢になればなるほど、日増しにその思いは真実味を帯びることになる。うっかり働き過ぎ、過労で体調を崩すようなことにでもなれば、元も子もなくなる。かく言う私も年々、真実味を帯びております。^^
要領がいい社員として社内で知られる枕は、先輩社員の東崎の出方を窺っていた。東崎の結果が出るまで待つことにしよう…と重く考えず、今日も要領よく仕事を定時に切り上げて無理しないことにした。
「では、皆さんっ!!」
残業する課内の同僚を尻目に、枕は明るい笑顔で通い馴れた飲み屋へと姿を消した。その頃、東崎は必死にコトを成功へ進めようと画策していた。ところが、世の中はそう甘くない。その画策は産業スパイによって競合企業の知るところとなり、画策は灰燼に帰したのである。
「東崎さん、やっぱりダメでしたか…」
口では同情しておいて、枕は待ち続けた。やがて秘密裏の動き出しは功を奏し、競合企業を出し抜くセンター前クリーンヒットの契約を枕は取りつけたである。字一色役満の和了である。^^
無理をせず自摸れば、こんなハッピ~な好結果になる訳です。^^
完




