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57/100

-57- 消える

 -55-でタイトルにした[保証人]だが、実を言えば最初に入力した[保証人]ではないのです。どういうことだっ! とお怒りになる方もおられようが、まあ、事実なのだからどうしようもない訳です。詳細を語りますと、上書き保存したにもかかわらず、理由は分かりませんが忽然(こつぜん)と消えてしまったのです。何もしないのに幽霊のように消える訳がありません。操作したとき、うっかり消してしまったのでしょう。こうした、ふと物がスゥ~っと消えることはよく起きることです。探し回った挙句、目の前にあった・・なんてことも皆さんの中にはお有りの方もおられるに違いありません。三次元世界では物は消えることなく姿を変えるのです[映画 地球の制止する日より クラトゥー{キアヌ・リーブスさん役}の言葉]。^^

 榊はすっかりショゲていた。買ったばかりの商品を失くしてしまったのである。家に持ち帰った…までの記憶はあった。ということは、家の中のどこかにあるはずなのだ。勝手に消える訳がない…と榊は思った。思ったのはいいのだが、いくら探しても見つからないものは見つからない。榊はフゥ~~っと深い溜息を一つ吐きながらトイレへと向かった。用を足して手を洗いながら鏡をふと見ると、買った商品が鏡の前の棚で、あんた、馬鹿だな…とでも言うかように鎮座していた。これは飽くまでも榊の深層心理なのだが…。商品が語る訳がない。^^

『なんだ、ここにあっのたか…』

 榊は心で小さく呟いた。よくよく考えれば、家へ着き、手に持ったまま慌ててトイレへ駆け込んだのだ。そして、用を足し終え、そのまま置き忘れたのである。うっかり、探し回った時間はおよそ一時間十五分だった。昼は疾(と)うに過ぎていた。榊は、ようやく得心し、遅い昼食を食べ始めた。

 うっかり物を置き忘れ、消えることはよくあります。でも消えるのは家の中だけにしたいものです。外の場合は、消えたままになることも多々、ありますから…。^^


                   完

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