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-37- 後(のち)の世

 とある図書館である。図書館司書の桃宮は静かに目を閉じ、思案しながら偉そうに考えた。^^ (のち)の世に残る物事は容易(たやす)く決めるべきではないだろう。というのも、決めた物事を変えられないからである。うっかりといい加減な内容で決めてしまえば、後々(のちのち)にも残るから禍根を残すことになる。元号や制度、法律などがそうだ。とくに元号の場合、明治以降は一世一元制となっているから後の世にお粗末があとを引くことになる。政府が直接、民間の諮問機関に委託するより、一端、宮内庁、皇族の方々に諮問し、三案ほど推挙して戴き、その三案を軸に政府が民間の諮問機関に委託して決定するという慎重の上にも慎重な決定が求められるだろう…と。

「桃宮さん、もうお昼ですよ…」

 後輩職員の梅川が(ささや)くように桃宮へ声をかけた。

「んっ!? ああ、もうこんな時間か…」

 中央にかかった掛け時計を見つめ、桃宮は我に返った。

「どうです? 天気もいいですからテラスで食べませんか?」

「ああ、そうするか…」

 先に昼食にした職員が戻り、二人はデリバリーで届いた熱々の弁当を美味しく食すことにした。

 後の世まで残り、元に戻らない事項は、慎重に決定する必要があるのでは? というお話でした。ご参考までに…。^^


                   完

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