-32- ウラン鉱石
放射能を放出するウラン鉱石をうっかり、エネルギーとして利用しよう…と科学者が先読みもせず開発したところに人類の大きな失態があった。結果、危険をともなう莫大なそのエネルギーは、今に至って人類最大の脅威となるエネルギーになってしまったのである。核兵器、使用後核燃料廃棄物etc.である。このことが気になり出した地球最先端エネルギー開発プロジェクト統合本部の本部長を自負する麦原広志と助手の黄花菜種は、日夜、新エネルギーの開発に余念がなかった。
とある日である。
「先生っ! ついにやりましたねっ!!」
放射能を除染したウラン鉱石を新しいエネルギーとする除染変換技術開発に成功した瞬間だった。
「ぅぅぅ…黄花君っ!! …NHKで取り上げてくれないだろうか?」
「何をです?」
「このプロジェクト…」
「新プジェクトZですか? さあ、どうですかね…。ここは地方も地方、片田舎も片田舎ですから…」
二人で開発した研究所の入口に掲げられた[地球最先端エネルギー開発プロジェクト統合本部]の手書きされた看板が風に揺られ。カランカランと賑やかに呵っていた。^^
完




