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-25- 予測

 物事の予測をうっかり誤り、大失態をすることがある。この男、斎賀もそんな一人だった。斎賀は会社から高く評価され、未来を嘱望された有能社員だった。営業成績も他の社員を突き放してトップを続け、社内の人望もよい申し分ない社員だった。

 あるとき、斎賀に専務から直接指示が下された。

「この契約が取れれば、我が社は一躍、競合企業から抜きんでることが出来るんだ、斎賀君、一つよろしく頼むよ…」

「分かりました、やらせていただきます…」

 斎賀には、その契約を取れる自信があった。斎賀はその企業を取り巻くあらゆるデータを集め、自身が作成したAIソフトにより予測を進めた。斎賀が開発した独自のソフトは誰もが認める有能さで、これまで幾つもの契約を取ることに成功していた。今回の専務から直接、言い渡された契約も、恐らくは取れるだろう…と斎賀は踏んでいた。ところが、である。斎賀が集めたデータの一つに、うっかり古いデータが紛れ込んでいたのである。AIは完璧な予測を可能にするが、それには入力データに不備がないという一つの条件がある。古いデータを最新データとして捉えたAIが完璧な予測を立てられるはずがなかった。

 ひと月後、専務から依頼された契約は競合企業に先を越され、斎賀の昇進人事はご破算となった。

 AIによる予測は、最新のデータが必要だというお話でした。最新データをうっかり見落とすことのないよう、皆さんお仕事にお励み下さい。^^


                   完

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