-14- 百人一首大会
とある小学生による百人一首大会が、とある場所で行われている。
「かくとだにぃ~~~」
詠み手の先生が渋い声で自慢げに上の句を詠み上げた。
と、同時に、ドタンッ! パタンッ! と各所で札を叩き取る音がした。しばらくして、詠み手は「えやは伊吹の さしもぐさ さしもしらじな もゆる思いをぉ~~~」と、相変わらずの渋い声で先生が詠み終えた。どこか自分の名調子に酔いしれ、聴かそうとしている節がなくもない。^^ そして、一瞬の間合いで静寂の時が流れた。
「朝ぼらけぇ~~~」
他にも二句[きみがため わたのはら]があるが、これらの句に限っては、次の七字の最初の文字が詠まれないと札を叩き取れないから、シーンと会場は静まり返えっている。
「うぢのかはぎり たえだえにぃ~~~」
先生が「う」と声を出した瞬間、ドタンッ! パタンッ! と喧しいほどの音がした。ところが、である。
「先生、うっかり間違えましたぁ~~!」
「ははは… 間違えちゃダメじゃないか、猪芋君」
「どうも、すいません…」
「お手つきだな…。自分の取った札から一枚を横に置きなさい」
「はいっ!」
「次に取った人が、猪芋君の出した札をもらえます」
先生の競技ルールの説明に、選手達は納得して頷いた。
こうして百人一首大会は続いていくのでした。チャン、チャン!^^
うっかり、お手つきしないよう、練習しましょう。^^
完




