No.2-1 「始まりの町」
「ただいま。…………なんで膝枕?」
「特に理由はありませんが……。寝顔はとてもかわいらしかったですね。よだれなんか垂らしちゃって。肌もすべすべで柔らかかったですよ。まったく、ユラ様と同じ顔なんですから、私以外にそんな顔をしてはいけません」
俺の頬をむにむにするデゥアルにママ味を感じる。
今もずっと頭を撫でてくるし、ずっと笑顔だ。おかしい、これはおかしいぞ。
一日でこんなに人って変わるのか?
デゥアルが人なのかは置いておいて、昨日は出会ったてすぐに殺しにきて、俺の眷属になったときの嫌そうな反応。一日でこんなママになることがあるのか?
ないだろ!
でも、昨日のままだと気まずいから、お母さんデゥアルでいてね!
しかし、アザクラの世界に戻っても、ユラの声は聞こえない。
「デゥアルはユラがどこにいるか知ってる? さっきから返事がなくて」
「ええ、もちろん」
「だったらデゥアルが教えてよ、この世界について」
「申し訳ございません。ユラ様からストップされていまして、教えてあげられることはあまりないんです」
「でも、あまりってことは、教えてくれることがあるってことだよね」
「はい、ヤナがレベルを上げること、ユラ様の眷属を探し、その眷属をヤナの眷属にすること、それらについてのサポートはさせていただきます」
ふむふむ、俺が育つまでのサポートはしてくれるのか。普通にうれしいな。
レベル上げをするにしても、眷属を探すにしても、まずは洞窟からの脱出方法を教えてもらわなければ。
ユラの眷属って【吸血姫の五人の妹】だっけ。
デゥアルがそのうちの一人だから、名前的にあと4人か。
その人ら以外にも、他に眷属はいるのかデゥアルに訊くと。
「いえ、ユラ様は眷属をあまり作りません。私を含め五人だけです」
「吸血鬼の王っていうんだから多いと思ったけど、少ないんだな」
「はい、ユラ様は眷属を作ることが好きではありませんでした。この世界で吸血鬼の眷属というのは、忌み嫌われる対象ですから」
「えっ、吸血鬼って悪者なの?」
「……ヤナはこちらの世界について、どこまで把握していますか?」
「……赤ちゃんと一緒ぐらい、だと思う。だってユラが教えてくれなかったんだもん」
公式は当てにならないし、説明書も嘘だらけ。
世界観も異世界でありきたりな文章でしか描かれていなかった。
そんな状態でどうやって知識を深めろっていうんだよ。
まだ町にも行ったことないのに。
「分かりました。まずは称号と種族について説明しましょう」
おっ、この世界の常識ぐらいは普通に教えてくれるのか。
一言一句聞き逃さない様に気張れよ、俺の耳。
「まずは称号についてです。獲得さえすれば、常時発動するスキルとでも思って下さい。そして、称号は様々なシリーズに分かれています」
なるほど、スキルには属性があるように称号にはシリーズがあるのか。
「シリーズで有名なのは《悪魔の称号》と《唯一の称号》です。《悪魔の称号》は悪魔の気まぐれによってもたらされる呪い。《唯一の称号》は神に認められたものにもたらされる名誉。どちらの称号も一種類につき、この世で一人しか所持することができません」
「ユラが言ってた吸血姫ってもの称号なの?」
「はい、吸血姫は《唯一の称号》です。《唯一の称号》は元となる種族、役職のスキルを全て使用可能。さらに、《悪魔の称号》の力を無効化する称号です」
「ほんとにユラって凄かったんだ」
「ええ、《悪魔の称号》に悩んでいた私を助けてくださいました。その時に、私はユラ様に生涯お仕えすることを決めたのです」
デゥアルが《悪魔の称号》を?
淡々と話すデゥアルの顔を見上げていると、デゥアルは嬉しそうに微笑んだ。そして、デゥアルは口を尖らせて、ふーっと俺の顔に息を吹きかけた。
息が当たった部分に、静電気ほどの電撃が走った。
ビクッと体が痙攣する。その反応を見たデゥアルは目を細め、当たった部分を手の甲で撫でてきた。
「私の称号は《毒の悪魔》、私の体から出るものすべてに毒性を持たす呪いです。昔はこの称号のせいで、誰も私に近づかなかったのですが、ユラ様が私を救ってくれたのです。おかげで、今の私は自分で毒の量を調節できるようになりました」
だからこそ、この手に温もりを感じるのか。
そりゃあ嫌だよな。分かる。俺だって、姉の体に別の人格が宿ったら、そいつが体を雑に扱っていたら、我慢なんてできない。
「何も知らなくて……ごめん、デゥアル。これからは気を付けるよ」
顔の向きを外側に変える。デゥアルは姿勢を変えたことを指摘せず、話を続ける。
「称号はこんなところで、次は役職についてですね。亜人種の役職は基本的には自分の種族ですが、他の種族にとっては生涯ともにする仕事、みたいなものでしょうか。剣士の役職を持つものは王国を守る騎士となったり、鍛冶屋の役職を持つものは剣や防具を作る職人になったりと」
「役職スキルってのはどういうスキルなの?」
「文字通り、その役職のみ使用可能なスキルです。……最後に一つ、自分の種族を言いふらさないでください」
「へ? 吸血鬼だと何か悪いの?」
「世間から亜人種はモンスターと同等のイメージを持たれています。なので、無駄な争いを避けるため、ヤナが吸血鬼なのは秘密です」
「分かった! デゥアルと約束だね」
「はい、約束です。絶対に守ってくださいね」
「うん!!」
デゥアルの太ももから頭を離して、正面に正座する。黒い瞳を見つめ、小指を前にする。ゆびきりげんまんの形で。
デゥアルも意図を理解したのか、俺よりも一回り長い指を絡めてくれた。
尖った爪が手のひらを掻いてくすぐったい。
二人で唱える呪文。こんなものに強制力なんてない、子供の遊び。
デゥアルは理解して、やってくれた。俺の指を握ってくれただけでも、俺の心は軽くなった。
数年ぶりのゆびきりげんまんは、俺とデゥアルの溝を埋めてくれたのかもしれない。
ゆびきりを終えると、デゥアルは立ち上がり、服を叩いて砂を落とす。
そして、どこからか子供用のローブを出して俺に着せた。
「今から守護神の町、カーディンに向かいます。ヤナの格好は目立つので、きちんとフードを被って、外さないようお願いします」
目立つ、か。銀髪、赤眼、派手なドレス。ローブを着たら全ての要素は隠れるが、逆に怪しさが半端ない気がしなくもなくもない。
口調的に、デゥアルも付いてくるのなら、デゥアルが視線を集めるような気が。
そんなことを考えている間、デゥアルはテキパキと動いて、床に魔法陣を作り出していた。
デゥアルは出来上がった魔法陣に足を乗せる。魔法陣に触れることに若干の抵抗を感じる俺は、安全だと分かっていても、足を動かすことができずにいた。
デゥアルはそんな俺の背中を、そっと押してくれた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
周りを見渡すと、綺麗な羽が生えている妖精種やケモ耳が生えている獣人種、背は小さいが体ががっちりしている小人種などの多種多様な種族。その中にはスキルリングが一つもない人も大勢いた。
壁沿いには変な色の肉を焼いている屋台や、変な色の飲み物を売っている屋台。
西洋のマンションのようなレンガの家、日本語で書かれている文字の看板。
そうだよ。こんなありきたりな町を俺は望んでたんだ。誰があんな辺鄙な洞窟からスタートしなきゃならんのだね。
町を歩く人の半分ほどは、布切れの装備や鉄の装備。表情もあまり良いとは言えないが、俺にとっては目を輝かせる街並みだ。
デゥアルと手を繋ぎながら町を歩いていると、香ばしい匂いが漂ってきた。
匂いの元に駆け寄ると、1mはあろう程の串が炭に焼かれていた。
肉の種類は分からないが、食べてみたい。
立て看板には、一本1000ベグと書かれているが、今の俺は無一文。
所持金がないと、この肉を断念しなければいけないのか、否だ!
俺には希望が残っている。
デゥアルという希望が。
デゥアルにねだる為に、俺が想定するかわいらしさ全開の上目使いと、かわいい声で。
「あの~、デゥアルお姉ちゃん。俺、あの串焼きがたべたいんだけどぉ。ちょっといまぁ、お金がなくってぇ」
「はいはい、そんなにねだらなくても買ってあげます。一本好きなのを取るといいですよ」
「やったあ! んじゃこれ!」
ねだったら買ってくれるんだ。
俺が心配することではないが、デゥアルは、長い年月あの洞窟に居たのに、お金を持っているのか。まぁ、流石に持ってるだろ。
何かの肉の串焼きを一本選んで手に取ると、デゥアルが自分の左手からスキルリングを出し、それを店主に渡すと硬貨に変化した。
歩きながら両手で串を持って、デゥアルが買ってくれた串焼きを口一杯に頬張る。
繊維が細かくて食べやすい。食感は何というか、噛みやすくて、味がしっかりめで、口に残らず溶けてくれ……本当になんの肉なんだ? おいしいからいっか!
「さっきのってなに? スキルリングがお金なの?」
「違います、この世界ではお金や魔法道具が所有物になると、このようにスキルリングと同じ輪、通称オブジェクト・リングが左手に現れます。そもそもプレイヤーにしかスキルリングはありませんが」
デゥアルの左手首にスキルリングと同じような輪が現れた。
左手に表示されるのがオブジェクト・リングで右手に表示されるのがスキルリングってとこか。
デゥアルがその中の一つを取り出すと、リングが硬貨に変化した。
「取り出すと本来の姿に戻ります。ヤナも何かを獲得すると、自動的にオブジェクト・リングとして左手に集まります。それで……、そのお肉はおいしいですか?」
「うん! なかなか弾力がよくて味もしっかりしていておいしいよ。デゥアルも食べてみる?」
「ではお言葉に甘えて、一口」
デゥアルは垂れる前髪を耳に掛けて、尖った串先を掴み、俺の噛み跡の上から一口食べた。こういう何気ない仕草っていいよね!
「ん、確かにおいしいですね。ちょっと私には味が濃すぎですが」
串焼きも食べ、町の雰囲気も楽しめたので、先導してくれているデゥアルに目的地を訊く。
「この町を抜けると、魔物が住み着いている森、通称『彷徨いの森』があるので、そこにいる魔物を倒してレベルを上げます」
「最初からそっちの森に行けばよかったんじゃない?」
「ちょっとした小遣い稼ぎとして、ギルドでクエストを受注します。少しでもお金を増やして、私が居ない時でもヤナが自由に買い物ができるように」
ギルドまでの通り道、すれ違う人をそれぞれ観察していると、ちらほらスキルリングが光っている人とすれ違う。
その人たちはプレイヤーなのか、と考えながら歩いているとデゥアルと離れてしまった。
串焼きを食べてたから、手を離してたの忘れてた!
えっ、こんなところで迷子になっちゃったの?
どうしよ、ギルドの場所も分からないし、デゥアルと連絡なんて取れないし、いっそ『眷属召喚』を使う?
でもそれだと吸血鬼ってばれるかな。
「どうしたんだいお嬢ちゃん?」
その場でうろちょろ歩いていると、気の優しそうな杖を突いて歩いているおじいちゃんが話しかけてきた。
「ちょっと迷子になっちゃって。おじちゃんはギルドの場所って知ってる?」
「ギルドの場所か、知っておるがお嬢ちゃんは行って何をするんじゃ?」
「人と待ち合わせしてるんだ。でも、迷子になっちゃって」
「なるほどな。何かの縁だ、おじちゃんが案内したるから付いてきな」
「いいの? ありがと!」
意外といい人がいるんだなと、思っていた時期が私にもありました。
おじちゃんの後ろを付いていくと、どんどん人が少ない場所に連れて行かれているような。
商店街を抜けたから、人通りが少なくなっただけかと思いきや、すれ違う人もどんどん盗賊のような野蛮な見た目が多くなった。
逃げようと決意して回れ右で走ると、何かにぶつかった衝撃で尻もちをついた。
「おいおいお嬢ちゃんよ、そんなに急いでどこに行くんだ? お兄ちゃんたちと遊ぼうぜ」
うん、これは嵌められたな。
俺の周りを盗賊風の男が10人ほど囲んでいて、いつの間にか案内をしていた老人も居なくなっていた。
「そんなに慌てなくても大丈夫だって、君の友達ももうすぐこっちに来るからさ」
俺の友達ってデゥアルのことかな?
……デゥアルは心配いらないか。戦う姿は一回しか見てないが、こいつらに負ける未来が見えない。
だが、俺はデゥアルと違う。
ちびでひ弱なただの吸血鬼だ。
力と数で押されたらどうすることもできない。
『血剣』を使うか迷っていると、空からデゥアルがスカートを靡かせながら降ってきた。
「私はヤナの友人ではなく、眷属です」
待て待てこいつ、かっこよすぎないか?
ヒロインのピンチに颯爽と現れるって、イケメンすぎだろ。
「でぅあるぅ~」
そんなイケメンが俺の目の前に登場したことによって、少し目に涙が浮かんできた俺はデゥアルの名を叫び、力一杯抱き着く。
「失態です。まさか少し目を離した隙に迷子になってしまうとは。きちんと手を繋いでいた方が良かったですね」
デゥアルはスカートを抑えてしゃがみ、俺の目と目を合わせる。
ヤバい、本当に泣きそう。
感動的なデゥアルとの再会を喜んでいると。
「な、なんでお前がい、いるんだよ。俺の手下を送り込んだはずだが……倒してきたのか?」
盗賊風の男の問いに対してデゥアルが虫を見るような目で。
「害虫には少し眠ってもらっただけです。あなたも眠ってもらうので、関係ありませんが」
男たちが棍棒を手に、雄叫びを上げて距離を近づいてくる。
その男たちに向かってデゥアルが息を吹くと、次の瞬間、周りの男全員が地面にキスをしていた。
「怖い思いをさせてしまいましたね。さて、気を取り直して、ギルドに行きましょう」
「うん!」
今度ははぐれない様に、きちんと手を繋ぐ。
はたから見るとまるで親子みたいだ。
路地裏を抜ける一歩手前で、デゥアルが空を見上げる。
「やはり使うべきではなかったですね」
空に向かって言うと、デゥアルが俺をお姫様抱っこして、近くにある家の屋上へジャンプする。
「もったいぶらずに姿を見せてください、ファー」
刹那、目の前の空間が歪み、俺と同じぐらいの身長で、髪は水色でゆるふわぱーまをかけたようなフワフワ感。
服装は至ってシンプルな、全身水色で構成されているワンピース。
極め付けに、頭に一本見事な角が生えている女の子が現れた。
「ねぇ、デゥアル、あなたが外に出るって珍しいね。ユラ様一筋のあなたがあの場所をほってこんな場所に来るなんて。それでその子は誰なの!?」
ファーと呼ばれる女の子は、元気いっぱいで、目をキラキラさせながら聞いてきた。
デゥアルの面倒臭さを隠そうともしない態度。恐らくだが、この子が【吸血姫の五人の妹】の一人なのだろう。
「そうですね、この子は私の子供です。母親が娘と買い物をして悪いですか?」
えっ、そうなの?
俺ってデゥアルの子だったのか……。
いや違うな。
デゥアルの顔を見上げると、会話を諦めている顔をしていた。
「本当? それは良かったわね、じゃあ一度でいいからフードをとってくれない?」
「嫌です」
「むー、なんでなんで。本当に娘だったら自慢しちゃわない? ファーがお願いしてるんだよ?」
「嫌です」
「デゥアルのケチンボ! だったら自分で見る!! 触っちゃっても知らないんだから」
ファーの立っている空間がまた歪み、あっという間に姿を消した。
透明化のスキルでも持っているのか?
そして、ファーが消えると同時に、デゥアルも屋根から屋根へと逃げるように飛び始めた。
「彼女は【吸血姫の五人の妹】の一人、ファー・ブリザード。この世で最も稀有な種族、幻獣種のユニコーンです」
ユニコーンって、あの角の生えた馬だよな。
神聖な生き物なはずだけど、どんな経緯で吸血鬼の眷属になるんだ?
「彼女も《悪魔の称号》を持っています。その名は『酸の悪魔』体に触れたものを溶かす能力です。今はその能力で自分の周りの空間を溶かし、自分の姿を見えなくしているんです」
空間を溶かすってそんなのありかよ。
ちょっと待て、さっき触れちゃってもって言ってたけど、俺も溶かされない?
だとしたら普通に正体明かしちゃってもいいんじゃない? というかユラの眷属なら大丈夫だよね。襲ってきてもデゥアルが守ってくれるんだよね!
「『氷結』、」
背後から氷の粒がデゥアルの足元に飛んできた。デゥアルは屋根の瓦に足を取られ、避けることができず、足首が凍ってしまった。
「ちっ、」
「デゥアルは守りながらスキル使えないんだから、ファーのことを困らせないでって。はい、鬼ごっこ終わり~」
デゥアルを拘束したファーは、目の前に姿を現す。
デゥアルは身体をひねって脱出を試みようとするが、ファーは間髪入れず『氷結』を使い、デゥアルの首から下を氷で包み込んだ。そのせいで、デゥアルにお姫様抱っこされていた俺は全身が凍ってしまった。
「はぁ、めんどくさいですね。『属性付与・炎』」
苛つきながら使用したデゥアルのスキルによって、デゥアルの体に真っ赤な炎が着火した。炎は氷を溶かし、デゥアルと俺の体に自由を施した。
着ていたローブは黒焦げになってしまうが、可憐なる吸血鬼殺しのおかげで炎のダメージは無効化された。
しかし、顔を隠していたものがなくなり、俺の素顔がファーの視界に入る。
俺の顔を見たファーは、口が自然に開いて、憧れを見る目となり、ダッシュで駆け寄ってきた。
ファーは氷を溶かし切れていないデゥアルの手から俺を奪う。
「やっぱり! デゥアルの娘って嘘じゃん。だってこの子、ユラ様と瓜二つだ! 髪の色がちょっと違うだけで、ファーが触っても大丈夫なんだよ? そんな生物、この世でユラ様ただ一人なんだから。んー、人肌ってちょ~久しぶり~」
俺のほっぺがファーのほっぺにすりすりされる。
ファーの肌はもっちりしていて大福みたいだったが、動き方が激しいのでおでこに刺さる角が痛い。
「ねーねーデゥアル、なんでユラ様はこんなに小さくなっちゃったの? ファーが前見た時は、あなたと同じくらいだったわよね」
「ファー、ヤナはユラ様ですが、ユラ様ではありません」
デゥアルの答えにファーは頭を傾げ、きょとんとしていた。
「もー、デゥアルってば意地悪して! ファーにもわかるように説明して頂戴!!」
「だから馬鹿は嫌いなんです」
「バカってなんなのよー、はーやーくー」
「この子はヤナといって、もう一つの世界のユラ様です」
「あっ、そうなの! もうそんな時間になっちゃたんだね……。これから頑張らなくちゃ。ファーは【吸血鬼の五人の妹】の一人、ファー・ブリザード。これからよろしくね、ヤナちゃん」




