え、うそ、マスク取ったら美少女とか、しかもアイドルー!?
「そうなんだ...」
顔は見れないけど。
彼女の声が聞きたくて俺は
世間話とか、今流行りのドラマの話を彼女に振った。
「月9のドラマ見てる??」
「あ、はい!」
「あの、ドラマさー、面白いよね?」
「は、はいっ!」
たわいもない会話だったが。
カワボが聞けたし、俺的に
結構楽しくて時間が過ぎていくのもあっという間だった。
合コン開始から一時間が経過した頃だった。
藤島さんや他の同僚は俺のすぐ横に座る
彼女には目もくれず、
お目当の女性をお持ち帰りし始めていた。
俺と真島さんが楽しげに会話をしているのを
藤島さんが、チラリと一瞥し
「フン...!」と馬鹿にした様に鼻で笑ってからこんなことを言ってのけた。
「おい、山吹!
俺らはもう、持ち帰る女の子がそれぞれ決まったからおまえな、
その売れ残りの女、好きにしていいぞ」
その後、すかさず、藤島さんに肩を抱かれてる
プロポーションのいい派手な美人女が相槌を打った。
「え、売れ残りなんてー、そんな言い方、酷いですよー!」
「え、だってほんとのことじゃん!」
「wwww」
「でもぉー傷つきますよー?」
「平気だって!言われなれてんじゃね?
なんか、顔色ひとつ変えないし」
だ、大丈夫なのか?と
彼女を見たが、重ため前髪と眼鏡のせいで
表情は見てとれなかった。
「あ、そうそう。山吹あのな、
俺らが食べ残した料理、食っていいぞ」
「学生時代、満足に食べられなかったんだろ?
高級料理だぞ!勿体ないと思うよな?残さず食えば?」
「www」
いやな感じの笑い声を残して藤島さん達は俺らから背を向けた。
それから、また、声を大にして。
「何も飲まずにずっとマスクしてるとか、
マスクの下はどーなってんだろーね!?」
「あー、それは多分あれだろ。
コンプレックスを隠してんだよ!」
「藤島さんてー、イケメンだけど、
性格あんまよくないですねー!」
藤島さんはな、
あんま、よくないってゆーか、
酷く悪いよ。
俺は心の中でそう言ってから
残された食べ物に視線を落とした。
残り物なんか...。別に食べたくないし。
もうお腹一杯だし。
俺は声の可愛い女と個室に2人だけになった。
あんまモテない俺は、女と2人きりという状況に少なからず戸惑っていた。
「と、取り敢えず、どうする?
俺らだけになっちゃったけど....」
おそるおそる尋ねると、
ちょこんと縮こまっていた彼女は。
「んー!」と両手を頭上で組んで大きく
伸びをし、
「やっと、変装を解けるわ...!」
などと、
さっきより、てかな、もうどっかで聞いたことのあるカワボで言ってのけたから、
俺は、
「え、え!?」
と固まるしかなかった。
「その、声、、!
も、もしかして...!!」
「やっとマスク外せるわ...あー!開放感!」
「え、え!?」
滅茶苦茶鼻筋整ってますけど!
そ、それに!唇のかたち、ぽてっとしてそそりますけど!
「あー、眼鏡も邪魔だったぁー!!」
スッと。
黒縁眼鏡をとってのけ。
「ウイッグも通気性が悪くて邪魔だったぁー!!」
「ひええええ...!!」
俺は声にならない声を出した。
俺は思わず背後にのけぞり、
ガン!!と壁に頭をぶつけた。
「...ってえ!!」
俺は目の前に現れた超絶美少女に。
可愛い上目遣いで本気で心配された。
「大丈夫ですか??」
「だ、大丈夫だけど、、その、あの、、」
俺はそう返答し、頭を左手で押さえながら
深呼吸して座り直し、彼女にこう尋ねた。
「と、トップアイドルの、ま、マヒロちゃんだよね??」
「うん、そう!」
さっきまではマスクの眼鏡女だったが。
今、目の前にいるのは。
超のつく有名人。
評価してもらえるとありがたいです。
あ、でも、読んでくれてありがとうです。




