元の体との再会 その2
俺は、エフェクトガストの魔法を使って、前線キャンプまで移動した。
東軍の魔法第二旅団が動き出したとの事で、キャンプ内にも緊張が走っている。
だが、俺はこいつらよりも先に東軍のところにまで到着しなければならない。
とりあえずは西軍の前線キャンプを出て、さっさと東軍のところにまで行かないと。
ここから先は飛んで行くわけにはいかないな。
流石に目立つ。
皆殺しが目的ならばそれでもいいのだが、今回は違う。
徒歩での移動は時間がかかる。
しかし、エフェクトゲイルの魔法で加速すれば多少は。
だが、見つからないようには気を付けないと。
まずは、西軍の見張りに東軍の位置を聞いて、それからだな。
見張りに東軍の位置を聞いた俺は、正面を避けて端から回り込む事にした。
元は第二魔法旅団にいたからな。
警備の手薄そうな場所や、本陣の場所も検討が付く。
運が悪くなければ、アメイガスがいる場所まで見つからずに行けるはず。
そう思いながら、俺は歩く。
東軍のキャンプの横を通り、奴らの様子をうかがう。
俺がいた頃と違って、東軍の兵たちの緊張感が抜けている様な気ががするのが悲しい。
しかしまあ、俺がアメイガス旅団長として見回った時の記憶だからなあ。
上司が見ていない時の兵というのは、案外こんなものかもしれない。
それでも、俺の弟子であり隊長の一人であるカマストが、もう少し厳しくしていそうなのに……。
俺がアメイガスに戻った暁には、厳しく鍛えるとしてだ。
運が回ってきているのか、この状態自体は好都合。
この調子で、オリッシュと体が入れ替わってしまった厄災も払拭できると良いのだが。
端側を黙々と歩き移動した俺は、東軍のキャンプの裏側にまでたどり着いた。
次は、目星がついている場所を中心に本陣を探さなければ。
ここからは、敵のキャンプ内。
隠密は得意ではないが、中に入る他ない。
アメイガスの時の経験から、隠れられそうな場所が分かる事だけが幸いだ。
なるべく人気の無さそうな場所を選び、慎重に進む。
途中、兵を見かけるものの、皆に士気が無いのが気になる。
たるんでいるのか、あるいは……。
指揮官は、東軍のアメイガス魔法第二旅団長。
そして、その体に入っているのはオリッシュ。
はっきり言って、兵の管理ができるとは思えない。
事実上、俺が不在なだけで、こうも変わるのか。
そう思いながら歩いていると、他より守りが固い場所を見つけた。
多分、ここが本陣だ。
この周辺に、東軍のリーダーが……アメイガスがいるにいるに違いない。
まずは、俺の元の体が元気である姿を確認せねば。




