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決戦!ハイサムス その6

ハイサムスの周辺上空に雷雲が現れる。

奴の周辺に雷を落とすつもりだ。

避けようとしても、逃げられる範囲じゃない。


「いっけー! どーーーん!!」


ハイサムスはぎりぎりまでオリッシュに飛び掛からんと言わんばかりに近づこうとしていた。

だが、ライトニングの魔法で発生した雷は、見事ハイサムスに命中する。

その一撃を受けた奴は後方へと一気に吹き飛んだ。


やったか?

しかし、攻撃の直前に年甲斐も無く叫んでしまった。

いや、今は若い女の体だったな。


ハイサムスを倒せば今回の目的は達成だ。

後は残党連中を片付ければいい。

とりあえず、イリーヴァたちが相手をしている精鋭たちを何とかするか?


「……ぉ、ぉの、れ……ぃ、今のは効いたぞ……」


そう思っていた矢先の事だ。

倒した筈のハイサムスが起き上がった。

生きているのも運がいいが、あの雷を受けて意識を保っているのかよ。


だが、奴は攻撃を防いだというわけではない。

むしろ、ガッツリ効いているみたいでボロボロだ。

後、一発でも入ったら沈むだろう。


……二発以上必要だなんて事はないよな?


「今、楽にしてあげましょう」


俺は、オリッシュの体でウィンドカッターの魔法を使う。

風の刃をハイサムスに向けて放つ。

これで、今度こそ奴も終わりだ。


だが、ハイサムスはファイアボールの魔法を使い、風の刃と相殺させた。

思ったよりもずっと動けるな、こいつ。

動きが鈍くなっているようだが、ヘルファイアの射程距離内に入るのは相変わらず危険だ。


ゆっくりと近づいて距離を詰めてくるハイサムスを相手に、俺は改めて距離を取ろうと動く。

くそッ!

もう一度、ライトニングの魔法を使って、止めを刺すしかないのか。


「死ねぇ、オリッシュ!」


死にぞこないが、手こずらせやがって。


俺はオリッシュの体でハイサムスから十分な距離を取った。

これ以上近ければ、奴のヘルファイアで同士討ちを狙われる。

これ以上遠ければ、ライトニングの魔法効果が減衰してしまう距離だ。


「今度こそ!」


オリッシュはライトニングの魔法を放つ。

雷がハイサムスに直撃して再び奴は後方へと吹き飛ぶ。

これでまた起き上がるなんてのは勘弁して欲しい。


──倒せた、よな?


本当は近づいて死体を確かめるのが一番である。

しかし、万が一にも起き上がって攻撃されでもしたら最後だ。

無事ではないだろうが、最後の力で攻撃なんてのがありそうで怖い。


くそッ!

怖くて近づけねえ。


だが、そんな俺の心配は良くも悪くも裏切らなかった。

死体を確かめる事も、不用意に動く事もできなかった俺の目の前に、奴が現れたのだ。

しかも、先程と違って何故か無傷の姿である。


おいおい。

こいつは一体、何の冗談だ?



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