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決戦!ハイサムス その5

俺とハイサムスが一騎打ちを行う場は整った。

後は、さっさと奴を倒せば目的は果たせる。


「オリッシュ・ジュエル! 貴様、随分と前線を押し返してくれたな!!」


ハイサムスが、話しかけながら距離を詰めてくる。


「別に、私たちはアメイガスに取られた分を取り戻しているだけですし、貴方が気を病むことではないじゃないですか」


俺は、会話に受け答えをしながらハイサムスとの距離を取ろうと離れる。

奴が使うヘルファイアの射程に入ったら終わりだ。

気を付けなければ。


「それが問題なのだ。アメイガスにできて私にできない。それどころか、逆に奪われてしまうなんて」


ハイサムスからもう少し距離を離さねば。

ライトニングの魔法を使うにしても、あまり近ければ奴と同士討ちになってしまう。


「その割には、随分と戦場から離れていたみたいですけど。何時、前回の決着をつけられるかと、今日まで心待ちにしていましたのに」


駄目だ。

追いつかれこそしないが、奴のスピードも速い。


今の距離でライトニングは無理だが、ウィンドカッターなら時間をかけずに放てる。

これで、少しでも奴の動きを足止めできるか?


俺は、オリッシュの体で走りながら、後方に向かってバトルサイズを振る。

そして、風の刃をハイサムスに向けて放つ。


「おのれ! ルガウの奴が貴様の様な輩を葬って一気に逆転するはずだったのに、ふざけやがって!」


ハイサムスは、走りながらファイアボールの魔法を放ち、風の刃を迎撃する。

前方に魔法を放った衝撃で、奴のスピードが少し落ちた。


「そんな事を言いつつも弟さんの弔い合戦をするだなんて、優しいお兄様じゃないですか」


このまま、会話で奴の心を揺さぶりつつ、軽い攻撃を繰り返せば距離をとれる。

そうすりゃ、後はライトニングの魔法で。


「弔い合戦だと! 誰があの面汚しのために! 魔法の腕だけは私より上だと思っていたのに、買いかぶり過ぎだったか!!」


安い挑発で感情が荒ぶるところは兄弟そっくりじゃないか。

ハイサムスの奴も、普段は貴族らしく穏やかに振舞ってはいるが、結構荒々しい性格をしているな。


「そうでしたか。でも、弟さんより弱い貴方が、どうやって私に勝つつもりなのでしょうか?」


まったくだ。

ハイサムスの弟、ルガウ相手には辛くも一応は勝利している。

こいつ、何も考えていないのか、それともまだ秘策があるのか?


「うるさいッ! 弟と違って作戦や技術は私の方が上だ!」


やはり、何も考えていないか。

そして、距離もまた十分にとれた。

ならば、今ここで死ね!


俺は、オリッシュの体でライトニングの魔法をハイサムス相手に放った。



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