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決戦!ハイサムス その4

俺は、すっかり魔法兵たちに囲まれてしまった。


恐らく、こいつら全員がヘルファイアの魔法を習得しているのだろう。

ハイサムスがオリッシュを追い立て、周りの誰か一人の射程に入りさえすればいい。

そういう作戦なのだろうな。


オリッシュ一人を倒すために、今回の戦力の大半をここに持ってくるとはな。

全く呆れたものだが、これくらいじゃないと俺相手に戦えないというのも分かる。

ハイサムスも、こういう選択を選ばざるを得なかったのだろう。


だが……。


「では、始めましょうか」


オリッシュはそう言って、ライトニングの魔法を使った。

周りを取り囲む兵の上空に雷雲が発生し、そこから雷が勢いよく降り注ぐ。

雷による攻撃が当たった魔法兵たちは一撃で倒れてしまう。


初めて実戦で使ったが、すさまじい威力だ。

敵として相手にするには恐ろしいが、自分で使う分には素晴らしい。

今日の為に習得しておいて本当に良かった。


こうして、包囲網に対して早速突破口開いたオリッシュは、そこから難なく抜け出す。


「どうしたのですか? 私を焼き殺すのではなかったのでしょうか?」

「ちッ! 逃がすか!」


ハイサムスがオリッシュを攻めると同時に、他の魔法兵たちは再びオリッシュを囲もうとする。

ならば、またライトニングの魔法で切り抜けるまで。


「懲りない人たち。この程度で勝てると思っているの?」


そう挑発した時の事だ。

馬に乗ったサーフェスがこの場に飛び込んできた。

前回の時とは違い、今度はイリーヴァを後ろに乗せている。


「オリッシュ! ハイサムスの取り巻き連中は僕たちが引き付ける」

「敵のリーダーは頼んだから、オリッシュ!」


成る程。

両翼にいる連中は部下たちに任せているのか。

イリーヴァとサーフェスの二人はこいつらを引き剥がしてくれると。


「どうしましょう? 私たちは一対一でやりますか? それとも、この前みたいに水に流されたいですか?」

「くッ! お前たち、あの二人を足止めしろ!」


オリッシュを囲んでいたハイサムスの部下たちは、その陣形を崩す。

そして、ハイサムスの命令通りにイリーヴァたちのところへと向かった。


「上手く包囲網を崩せたな。だが、この程度で私に勝てるつもりなのか!」

「先日は弟さんが随分と舐めた真似をしてくれので、そのお返しです」

「ふっ、あのまま三人で私に挑めば勝てただろうに。その選択、後悔させてやる!」


威勢だけはいいな。

前回こそ中々決着をつけられないまま終わってしまった。

だが、今回の俺にはライトニングの魔法がある。


悪いが、後悔するのは貴様の方だな、ハイサムス。


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