表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/100

決戦!ハイサムス その3

俺はキャンプを出て戦場へと向かう。

そして、オリッシュの体で出撃準備を行った。


速度アップの魔法エフェクトゲイル。

対ファイアボールの魔法アローガード。

そして、ウィンドカッターの魔法で己の防御と近接攻撃を対応する風の刃を生み出す。


さて、これからどうやってハイサムスがいる場所を攻めるかだ。

前回は陣形前衛の端を突破して後衛へと突き進んだわけだが。

……今回はどうしょうか?


そう思いながら、遠方から東軍が今どうなっているかを確認する。

すると、東軍の第一魔法旅団長ハイサムスが、前衛のど真ん中に堂々と出ているではないか。

……何をやっているだ、あいつは?


ハイサムスの周辺には精鋭と思われる魔法兵が十数人いるのみ。

それ以外の護衛は何処にもいない。

ここを狙ってくださいと言わんばかりに、敵のリーダーが丸裸の状態である。


──ここを狙った方がいいのか?

明らかに不自然で、逆に罠なのではないかと疑心暗鬼になってしまう。


他の兵たちは何処に行ったのか?

ハイサムスの左右を見ると、両翼に兵たちがそれぞれ固まって陣形を作っている。

これだけを見ると左右から囲んで攻めようとしている様だ。


ならば、何故真ん中を開けたのだ?


少し考えて、答えが出た。

ハイサムスの奴め、自分が囮になる事で、オリッシュ相手に殺される兵を少しでも減らそうというのか?

前回みたいに、奴の周辺を兵で固めて守るとウィンドカッターでまとめて殺されてしまう。


ならば、ハイサムスを無視して陣形の片翼を崩すべきだろうか?

いや、それをやれば真ん中にいる精鋭集団が一気に攻め入ってしまう。

しかも、今回の作戦通りに動いた場合、真ん中の担当者がいない。


俺の独断で作戦を変えるのは危険だな。

ここは、誘いに乗ってオリッシュでハイサムスを狙いに行くしかないか。


俺は、オリッシュの体で我先にと飛び出した。

そして、両翼の兵団には目もくれず、真ん中にいるハイサムスの方へと進む。


「ハイサムス、今日こそ貴様を倒す!」


そう言って、俺は奴の近くまで難なくたどり着いた。

目の前と言うには少し離れている。

奴のヘルファイアの魔法の射程に入らない程度の位置である。


「やはり来たか、オリッシュ!」


ハイサムスが構え、オリッシュをファイアボールの魔法で攻撃する。

しかし、当然ながらアローガードの魔法の効果で、飛んでくる火球は当たらない。

挨拶代わりか?


「前回同様一人でこの私に挑んだ事は誉めてやろう。だが、その事をすぐにでも後悔させてやる!」


ハイサムスがそう演説している間に、奴の周りの魔法兵がオリッシュを取り囲んだ。

成る程、そういう事か。


「フハハ、前回の様にちょこまかとは逃げられんぞ! 今日ここで、貴様を焼き尽くしてくれる!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ