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決戦!ハイサムス その1

ハイサムスの弟、ルガウを倒した戦いから一夜が経過した。


昨日は色々とあった。

風の上級魔法の習得もそうだ。

しかし、何よりシャーマナイトにオリッシュの中身が偽物であるとバレた事が一番大きい。


だが結果的に、俺が元の体を取り戻すための味方が一人増えたのだ。

利害が一致する限りは裏切らない相手なのが何とも心強い。


そして、それからの今日。

俺とシャーマナイトは、目下の目標である東軍の魔法第一旅団長ハイサムスの討伐準備を進めている。

そこに、イリーヴァとサーフェスが加わっての話し合いが行われた。


「偵察部隊の話によれば、ハイサムス・ソードが率いる旅団がこちらに向かってきている。先日の報告にあった奴の弟ルガウ・ソードの弔い合戦をやろうとしているのかもしれない」


弔い合戦か。

確かに、弟が殺されて兄貴のハイサムスが怒っている可能性もある。

怒り心頭でこちらに向かってきているのかもしれない。


しかし、昨日のルガウとのやり取りから察するに、ハイサムスはそんなタマじゃなさそうだ。

そんな奴が血相変えて本気で向かってきているとすれば。

ハイサムスの奴、後が無いのかもしれないな。


「シャーマナイト様、魔法第一旅団は何時でも戦う準備はできています」

「出撃命令さえ出してくれれば、今すぐにでも」

「そうだな。このまま、東軍をハイサムスが動かし続けるのならば、我々はこれからも勝利し続けられる。しかし、奴が決着をつけたいと動くのならば、我々も覚悟を決めなければならない」


シャーマナイトは、イリーヴァたちの返答に意味ありげな事を答えた。


なるほどなあ。

確かに、今まで西軍はハイサムス相手には勝ち続けている。

しかし、奴を倒せば次に出てくるのは東軍の魔法第二旅団長アメイガスだ。


今の西軍にとって一番いい選択肢は、無能のハイサムスが可能な限り指揮を取ってくれること。

だが、そんな事を東軍や東オリーバ国が許すはずもない。

ハイサムスは次負ければ後が無いのだろう。


そして、西軍の連中も当然その事には気付いている。

以前にアメイガス相手に西軍が負け続けた事を考えれば、ハイサムスを完全に倒すのは怖い。

けれど、それも限界に来ているのだ。


とまあ、これは表向きの話。

実のところは、昨日俺とシャーマナイトが話し合った通りだ。

東軍の魔法第二旅団を引きずり出すために、ハイサムスには奴の都合に関係なく死んでもらう。


「いいか、作戦は昨日東軍が行ったものを逆に返す。オリッシュがハイサムスと一騎打ちができるように、イリーヴァたちが他の東軍を抑える。そして、オリッシュにハイサムスを倒させ、この戦いを終わらせる。よいな?」

「はッ!」


こうして、ハイサムスとの決戦の日が始まった。


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