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お兄様は甘くなかった その8

待つこと数分だろうか?

果たして、シャーマナイトが本を持ってやってきた。


「意外とすんなり見つかってよかった。これが、風の上級魔法の書だ」


そう言って、シャーマナイトは本を渡してくれた。


「ありがとう。でも、これはあまり外には持ち出したくないでしょう? ここで読んじゃった方がいいかな?」

「好きにしろ。だが、読んだだけで本当に使えるのか? いや、この場所で試さなくていいぞ。危険だからな」

「貴方が読んだだけで使えたのだから大丈夫なはず。私もこのところ実戦で風の魔法を使いまくったから、経験はばっちりだし」


俺は、照明の近くに立って魔法の書を読み始める。


風の上級魔法を覚える最大の目的はハイサムスとの再戦。

奴のヘルファイアの射程外から攻撃できる魔法が欲しい。

できる事ならば、遠距離かつ広範囲を攻撃できるものが望ましいが……。


──エフェクトガスト。

これは、ここに来るときにも利用した空を飛んで移動する魔法だ。

使い方は理解できたが……今は必要ないし、できれば使いたくない。


──アイスニードル。

大気中の水分を凍らせ、広範囲の敵に落として攻撃する魔法である。

遠距離から使えて理想的だが、氷なので火の魔法との相性は最悪だ。


──ライトニング。

雷を落として広範囲を攻撃する魔法。

俺がオリッシュの体と入れ替わり、シャーマナイトに連れ去らわれた時に奴が使った攻撃だ。


これだ!

このライトニングの魔法ならばハイサムス相手に通用する。

ヘルファイアの魔法の射程外から広範囲を雷で攻撃すれば。


そして、今日のルガウとの戦闘でもライトニングの魔法があれば攻撃を当てられたはず。

あそこまで俺が追いつめられる事も無かったかもだ。




俺は、風の上級魔法の書に一通り目を通し、各々の魔法を習得する。

その間、シャーマナイトは部屋から出ることもなく、本を読むオリッシュの体をじっと見守っていた。

奴にとっては地下の物置に片づける程の使わない書物でも、万が一にも盗まれると困るわけか。


「読み終わったから安心して」

「それで、何とかなりそうなのか?」

「とりあえず、これでハイサムスを倒して東軍の魔法第一旅団を失脚させれば、次の段階に進むはず」

「それが終われば、魔法第二旅団が出てくる事を祈り、待つのみか」

「そういう事。理解が早くて助かる」


ハイサムスを倒したところで、アメイガス率いる魔法第二旅団が出てくるとは限らない。

しかし、出てくる可能性が高いと私もシャーマナイトも考えている。


とりあえず意見も一致したところで、少なくともハイサムスを倒すまでは奴と仲良くできそうだ。

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