敵軍と最弱女魔法使いと体が入れ替わる!? その6
何とかお兄様ことシャーマナイトを振り切る。
そして、俺はハーモレイクと共に二人きりになれそうな部屋へと入った。
「そ、それで。伝言というのは!?」
ハーモレイクはかなり焦っている様だ。
ここに来るまでの道中も、奴は女の体を堪能する様子もなく、冷や汗を流しっぱなしだった。
傍から見れば、女を部屋に連れ込んでいる様に見える事にも気づいていないな。
だが、それも当然か。
裏切りがバレる一歩手前の状態なのだからな。
「ハイサムスは、何故私をあの場に連れてきたのかを聞きたがっていました」
とりあえず、適当な嘘をついて真意を探る。
そして、その隙にそれとなく周りに誰もいないか確認を行う。
本当は今すぐにでも殺したいが、万が一にも殺害現場を見られたら俺は終わるからな。
「そ、それは……」
返答に困っているな。
あの場にオリッシュを、シャーマナイトの妹を連れて行く事はハイサムスも知らない筈だ。
知っていれば、予め俺に連絡を入れていただろうしな。
「お、お前の兄が悪いのだ! 同じ魔法御三家の私を差し置いて、師団長なんかに出世しやがって!」
単なる私怨か。
それに加えて、最近の西軍は東軍に押されて戦況が悪いのもあるな。
シャーマナイトの配下になってこのまま死ぬぐらいならと、見限ったのも大きそうだ。
「そ、それで、お前は知っているのだろう?」
「ええ、ハーモレイク様がハイサムス・ソードを通して裏切ろうとしている事を」
「そうだ。私のミラー家、お前のジュエル家、そしてハイサムスのソード家で魔法御三家だ。だから、私に付いて来るのなら助けてやるぞ。どの道、西軍には……西オリーバ国には未来は無い」
「魔法御三家同士、仲良くしようという事ですね」
「そうだ。オリーバ国は西と東に分裂してしまったが、魔法御三家まで無理に付き合う理由も無い」
聞こえはいいが、本当に助けてくれる保証は何処にもないな。
それに、例え本当だとしてもハイサムスの奴がオリッシュ・ジュエルを受け入れるかどうか……。
話に乗るにはリスクが高いし、魔法御三家の事情も俺にはどうでもいい。
「だから、この事は黙っていろ。お前も命は惜しいだろう?」
周りには誰もいないし、誰かが来る気配もないな。
よし!
「そうか。もういい、死ね!」
「なッ!!」
俺はヘルファイアの魔法をハーモレイクに使う。
どうやら、体は違えど魔法を使うコツは変わらないみたいだ。
魔法の効果が以前と比べて衰える事もなく助かった。
哀れ、火の魔法から繰り出される地獄の業火で、ハーモレイクの体は焼き尽くされてしまった。