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戦闘狂 その5

遠慮の必要が無くなった……?

よく分からんが、俺がやり過ぎたって事か?


「ハハハ、お前もそうなんだろう? 血に飢えて仕方ないのだろう? そのローブを見れば分かるぜ」


まあ、確かに血染めのローブなんて代物を装備しているが。

血に飢えているねえ……。


「そうなの?」

「そりゃあそうだろ? 俺がそうだからだ。臭いで分かるぜ」

「……そんなに臭う?」

「まあな。貴族らしからぬ臭いだ」


確かに、身だしなみを整えて優雅に生活している貴族とは違うな。

貴族の女の体と入れ替わってしまったとはいえ、今は戦場。

ある程度俺が自由に動いているせいで、言葉通りの体臭まで変わっているかもしれない。


要は、このルガウとかいう貴族が貴族らしからぬというわけか。

アメイガスと中身が入れ替わったオリッシュに臭いを感じるという事はそうだろう。


「そう、戦場で戦いたくて仕方がない、そういう臭いだ」

「はぁ?」

「俺には分かるぜ。お前も戦場での殺し合いが生きがい、この身に有り余る魔法の力をぶつける場所を求めている。そうだろう?」


冗談じゃない!


確かに俺は、戦場では自分の足で稼がなきゃ気が済まない体質だ。

だが、俺はこいつみたいな戦闘狂ではない。

目的の為ならば殺しもいとわないだけである。


成る程、ハイサムスがこいつを閉じ込めていたのも納得がいく。

こいつは戦いそのものが目的になっている災いの元だ。

素手を使って火の魔法を出すのも、そのスリルを楽しんでいるからだろう。


「貴方みたいな変態と一緒にしてほしくない!」

「口ではそう言っていても、体は正直だぜ。俺と戦って、もっと自分の気持ちに正直になれよ」

「はい?」

「邪魔者はいない。俺とお前の二人だけになれるようにしたからな。ゆっくり楽しもうぜ」


ああ、だから今日に限って東軍の連中の動きが変だったのか。


オリッシュを無視して別の場所に移動したんじゃない。

目の前にいるこいつとオリッシュの戦いに邪魔が入らない様に足止めに向かったのだな。

これで、ようやく合点がいった。


つまり、どう足掻いてもこの変態からは逃げられないわけか。

なんせ、ご指名だからな。

オリッシュが相手をするしかない。


「しかたないなあ。相手をしてあげる」

「そうこなくちゃな。俺もレディを相手にするのに一応身だしなみを整えたのだからな」

「……その服装で?」

「これでも、伸ばしまくっていた髪と髭は整えたんだぜ。まあ、兄貴の手配だけどな、ハハハ」


そう言われれば、粗暴な服装と違って髪とかは意外にまともだな。

それでも、本当にやや伸びた髪や髭を整えた程度で、若干の野性味が残っている気がする。

閉じ込められていたというのも本当っぽい。


「それじゃあ、行くぜ!」


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