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戦闘狂 その3

次の日。


この日の何時ものようにウィンドカッターの風の刃で防御を固め、

何時ものようにアローガードの魔法でファイアボールへの対策をし、

何時ものようにエフェクトゲイルの魔法で自身の移動速度を上げた。


そして、何時もの様に俺が先陣を切って東軍相手に攻め入る。


だが、今日は違った。

兵たちの様子がおかしい。


オリッシュの姿を見て東軍の魔法兵たちが逃げ出すのは何時もの事だ。

今日も兵たちはオリッシュから離れてはいる。

が、奴らは逃げているのではない。


ちっ、あいつらオリッシュには目もくれずに、サーフェスたちのところへ行きやがった。


だが、そんな事をしても俺が後ろから挟み撃ちにして殲滅するだけ。

そう思い、俺は東軍の魔法兵たちを後ろから攻撃しようとした。


しかし、一人だけ残る奴がいる事に気付いた俺は、それを止める。

……誰だ?

そう思ったところ、向こうからオリッシュに声をかけてきた。


「へえー、お前がオリッシュ・ジュエルか」


見ない顔だ。

だが、こいつオリッシュの名前を知っている。

面倒な相手でなければいいが。


見たところ、ボロボロとまではいかないが結構粗暴な感じの服装。

しかし、よく見ると元は上等なものである。

となると、こいつ貴族か?


どうやら東軍の所属で、少なくとも敵には違いなさそうだ。

そして、何故か武器を何も装備していない。

不可解な点はあるが、先手必勝でさっさと殺ってしまうか。


俺は、無言で近づいて奴を倒そうと……した時である。

逆に奴の方から近づいて来た。


正気か!?

そのまま近づけば、オリッシュの周りを守る風の刃の餌食になるぞ?!


「ヒャハハ、死ねィ!」


その言葉と共に、奴は飛び上がった。

明らかに常人から逸脱したジャンプ力で、オリッシュの頭上を超える高さに飛び上がる。


やばい!


そう思った俺は、急いで後方へと下がった。

奴のスピードも速かったが、オリッシュの方が速い。

何とか、避けることには成功する。


「ヒャッハー!」


奴は着地ど同時にヘルファイアの魔法を発動させる。

だが、奴は武器を装備していない。

何処から魔法を……?


素手だ!

あいつ、素手で派手な火の魔法を出しやがった。

なんて奴だ!!


火の魔法は当たり前だが熱い。

だから、使い手は自分から近い距離で発動させないのが常識。

俺もかつて東軍のアメイガスであった頃は、柄の長いロッドを装備していた。


俺だって素手で使ったのは数える程で、最近だとハーモレイクを暗殺した時のみ。

あの時は必至だったから考えが至らなかったが、無茶な事をした。

今思い返せば、翌日まで動けなかったのも反動のせいだったのかもしれない。


だが、奴はそんな危険も気にせず平然と自分の右手を使った。

しかも、出した魔法は一撃で相手を焼き尽くすヘルファイア。

無鉄砲な馬鹿なのか、それとも……。


「ちッ! これを初見で避けるか普通? お前も勘がいいな」



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