表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/100

戦闘狂 その1

ハイサムスを撃退してから二週間は経過しただろうか。

あれを機に、西軍は領土を挽回して前線を押し戻し続けている。


勿論、俺が先陣を切って次々と攻めているのが大きい。

だが、それだけではない。


自信をつけた西軍の士気が高くなった事。

そして、イリーヴァとサーフェスのコンビが上手くやっている事。

これらが結果に結びついているのだ。


この目に見えた成果に、魔法師団長のシャーマナイトも驚いていた。

いや驚くというよりは、今日まで続いている唐突な快進撃に気持ちが追いつかない様子だ。


だが、出した結果には応えなければならない。

そう思ったのか、シャーマナイトはキャンプに出向いて二人を褒めた。

功労者たちを労おうと奴も頑張っているのだろう。


「サーフェスにイリーヴァよ、驚くばかりの目まぐるしい活躍だ。とにかく、よくやってくれた」

「いえ、当然の務めを果たしているだけです、シャーマナイト様」

「前任者であるハーモレイク・ミラーの失敗を返上する機会を頂き、感謝しています」

「そうであったな、イリーヴァ・ミラー。此度の数々の活躍で、ミラー家もきっと報われるであろう」

「そう仰って頂けるならば幸いです」


話し合った甲斐があってか、イリーヴァも素直に活躍を喜べるようになった。

迷いが消えたおかげか、今まで事故る事もなく極めて順調である。


「君たちのおかげで、東軍のアメイガスに奪われた領土を徐々に取り戻しつつある。この調子で引き続き行きたい」

「はい!」

「この結果は、オリッシュが道を切り開いてくれたおかげでもあります。シャーマナイト様、オリッシュにも是非労いの言葉を」

「そ、そうだな、イリーヴァ。その、何だ。皆の前で妹を褒めるのは……照れくさくてな……」


照れくさいねえ……。

妹に対して過保護なお兄様がよく言うわ。

いや、だからこそなのか?


まあいい。

シャーマナイトがあの調子だから、水を差さない程度に俺が代わりに釘を刺すか。


「いえ、これくらいの働きは当然です、お兄様……いえ、シャーマナイト師団長。敵のリーダー格であるハイサムスやアメイガスと対峙した時こそ、もっと活躍した姿を見せられると思います」

「そ、そうか。オリッシュも大勢相手に毎回一人で戦っていて心配なのだが、物足りないのか……」


そう思ってくれてもいいんだが……。

問題はそこじゃないんだよ、シャーマナイト。


しかしながら、そこにサーフェスが喰いついてくれた。


「しかし、敵のリーダー格が出てこないのは不思議です。東軍も弱っているのでしょうか?」

「サーフェス様の心配も分かります。そろそろ、東軍も巻き返すために新たなリーダー格を投入するかもしれません」


流石はイリーヴァ。

俺が誘導した通りに動いてくれるいい子だ。


そう、俺が言いたいのは、こうだ。

楽に勝てているのは東軍が何故がリーダー格を温存しているという事。

そして、リーダー格が来れば危ういという事である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ