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恋する分家の令嬢 その5

「優しく……なのかなあ?」

「だって、変じゃない。まるで私とサーフェス様をくっ付けようと後押ししているみたいで。何か裏があるんじゃないの?」


やはり前のめりになり過ぎていたか。


そうだよなあ。

一応、イリーヴァはオリッシュと恋敵だもんなあ。

お互いにやりあっていた関係となると、ちゃんと終わらせないといけないか。


元々この敵対関係にピリオドを打ちたいと思って切り出した事だ。

てっきり相手が一方的に敵視しているだけだと思っていたのになあ。

単純に互いにやり合っていたのならば、こっちから敗北宣言を出すのが早いか。


オリッシュ本人には申し訳ないが、サーフェスの事は諦めてもらおう。

あんなのより、もっといい男を見つけた方がいいと俺も思うしな。


「うーん、裏って程の事じゃないんだけど」

「何なの? はぐらかさないで」

「サーフェス様に対する興味が無くなっちゃったから、かな?」

「えっ……?!」

「興味は無くなっちゃけど、サーフェス様が変な女に取られるのも何となく嫌だから。どうせ取られるならイリーヴァがいいかな……って思っただけ」


裏があると言うのならば、こうだな。

邪魔なサーフェスを都合よく適当に押し付けたい、だ。


「どうして? どうしてなの!? あんなに夢中だったのに!?」

「恋に恋している自分に気付いちゃったからかな? 恋より夢中になれるものを見つけちゃったから、急に興味が無くなっちゃって」

「……恋より夢中になれる事……って?」

「戦い……かな? 正確には魔法を使った戦い。だから、今日から一緒に闘うイリーヴァとは喧嘩はしたくない。そう思ったの」

「……やっぱり、戦いなんだ」


これで、何とか誤魔化せるだろうか?

嘘を付く時は本当の事を混ぜると良いとか聞いた事があるが……。

こいつで納得してくれないかなあ……?


「オリッシュの嘘つき!」

「!! ……えっ?」

「変わっていないなんて嘘! 貴女、戦場に取り憑かれているじゃない!」


ビックリしたなあ、もう。

しかも、取り憑かれているという表現も言い得て妙だから恐ろしい。

「でも、私も変わらなきゃいけないのかも」

「えっ……?」

「私も、サーフェス様の事頑張ってみる。後になって返して欲しいって言ってもダメなんだから」


先程まで落ち込んでいたイリーヴァも、すっかり元気を取り戻した顔をしている。

迷いや未練が吹っ切れたのだろうか?

まあ、何にせよこれでサーフェスをイリーヴァに押し付けられる。


とりあえず、これでイリーヴァの方は何とかなりそうだ。

次は……サーフェス本人の方だな。


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