表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/100

敵軍と最弱女魔法使いと体が入れ替わる!? その4

何てこった。

西軍の将軍、シャーマナイトが俺の兄だと!?

いや、俺のではなく鏡に映る女の兄だ。


「オリッシュ、とにかく今は休め」

「分かりました、お兄様」


休んでいる場合ではない。

周りは敵だらけ。

叶うならば今すぐにでも逃げたい気分だ。


だが、嫌な事に気付いてしまった。

兄と名乗る男の名前はシャーマナイト・ジュエル。

そして、俺に異変が起こる直前に出会った女の姓もジュエルだ。


考えたくもない。

こういうのは、娯楽小説の中だけにしてほしい。

だが、可能性として、これは極めて高い。


俺とあの女は、あの時入れ替わってしまったのかもしれない。


「おやおや、お目覚めになったのかな?」


シャーマナイトが去ろうとしたタイミングで、新たに一人の男が訪ねてきた。


「ハーモレイク、貴様! 何故、私の妹を危険な戦場に連れ出した!?」

「これはこれは、シャーマナイト魔法師団長ではありませんか」


この男を俺は知っているぞ。

奴の名前はハーモレイク・ミラー。

ジュエル家と同じ、魔法御三家の一つであるミラー家の人間だ。


「何故って、戦場に出向くのは貴族の務め。特に魔法御三家ならば当然の事では?」

「妹は、オリッシュは魔法が殆ど使えないんだ。だから、安全な職務に付ける様にしていたのだ」


魔法が使えない?

それならば、あの時オリッシュが自分から簡単に捕虜になろうとしたのも納得が行く。

だが、それは同時に俺がオリッシュと入れ替わったのは奴の魔法ではないという事でもある。


「魔法が使えない? 魔法御三家の人間ならば生まれ持っての才能で魔法を使えるはずでは?」

「オリッシュは……駄目だったんだ。才能が全く無かったんだ」

「御冗談を。幾ら妹を戦場に出したくないからと言って、嘘はいけません」


成る程、オリッシュを無理やり戦場に送り出したのはハーモレイクの仕業か。

そうなると厄介だな。

何故なら、東軍への内通者というのが俺の目の前にいる男、ハーモレイクだからだ。


ハーモレイクが元より東軍に狙わせるつもりで、あの場にオリッシュを配置したのならば問題だ。

形はどうあれ、オリッシュは生き残ってしまった。

そうなると、ハーモレイクが生きている限り、またオリッシュを消そうと暗躍するかもしれない。


冗談じゃない!

今、オリッシュと入れ替わっているのは俺だ。

つまり、このままでは俺の命が危ないって事じゃねーか!!


畜生!

俺が巻き添えになって殺られる前に、何としてでもハーモレイクを殺らなければ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ