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援軍 その5

オリッシュはイリーヴァとサーフェスの二人を引き連れ、シャーマナイトの部屋まで戻った。


「お兄様、お客様をお連れしました」

「客とは……何だ、この二人か」

「シャーマナイト魔法師団長、お久しぶりです。戦士第一旅団長サーフェス・シュマ、参りました」

「こ、この度新しく魔法第一旅団長に就任しましたイリーヴァ・ミラーです」


連れてきた二人がシャーマナイトに挨拶をしている。

さて、この隙に貴族の二人から離れるか。




俺は再びシャーマナイトの部屋を出る。

やれやれ。

これ以上貴族共の相手をしてボロを出してしまっては困るからな。


しかし、これからどうするか?

また、あの二人に出くわすのは避けたい。

できれば、何処か見つからない場所に身を隠したいところだが……。


周りの兵がオリッシュをそれとなく見ている。

先程の様にざわめく事こそないが、一夜にしてすっかり有名人だ。

間違っても、隠れるなんて怪しい真似は止めた方がいいな。


それに、今は何時東軍が攻めてくるが分からない状況だ。

少なくとも、俺の見立てでは明日以降に引き伸ばすとは思えない。

そしてシャーマナイトとも、その点では意見が一致している。


などと考え事をしながら廊下を歩いていたところだ。

兵の一人が大慌てでこっちに走ってきた。


「オリッシュ様、大変です! 東軍の連中がこちらに向かって来ています!!」


来たか。


「それを私に伝えてどうするのですか! 早くシャーマナイト師団長に伝えなさい。今なら自室に魔法旅団と戦士旅団の長と一緒にいます」

「は、はい!」


伝令と思われる兵士は、慌ててシャーマナイトの部屋へと走っていった。


さて、それでは俺も動くとするか。

まずは、外の様子を確かめなくては。




砦から出ると、次々と兵が集まって戦闘準備を行っている。

後は、師団長のシャーマナイトに各旅団長の指示を待つのみ。

命令さえ下されれば何時でも出陣できるといった感じだ。


しかし、まだ準備を整えている余裕があるのか。

という事は、敵が到着するまでにはまだ若干の時間がありそうだが……。


俺は敵の様子を見ている兵に、状況を聞いてみた。


「東軍は何処まで進んでいますか?」

「それが、進軍を止めたま動き出す様子がなくて……」


別にこれといって変ではない。

俺がアメイガスとしてこの砦を攻めるなら、まずはファイアボールの魔法を使う。

全軍一斉に魔法を撃ち放し、火球の雨で巣から炙り出すのだ。


だが、これはヤバいのではないか?

俺自身や風の魔法の使い手は、アローガードの魔法でファイアボールを避けられる。

しかし、それでは逸れた魔法が砦に直撃してしまう。


「誰か! 誰かファイアボールを防げる魔法が使える兵はいませんか!」


俺はオリッシュの体で急いで叫んだ!

くそっ、このままでは攻める前に砦が崩壊してしまう。

東軍は今にも魔法で火球の雨を降らせて来るぞ!


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