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初陣 その8

一通り報告した後、不意にシャーマナイトが質問してきた。


「ところで、オリッシュ。報告によると東軍の連中と直接会話したようだが」

「はい、至近距離で相手にしましたので」

「……何を話したんだ?」


特に意味も無く嘘を言って怪しまれても困るからなあ。

素直に答えておくか。


「敵の隊長らしき人物が、ハーモレイク様の事を気にしていました」

「詳しく」

「詳しくと言われても、ただハーモレイク様が砦から出てこないと不満げにしていただけです」

「それで、何か答えたのか?」

「ですから私、言ってやりました。ハーモレイク様を殺したのは貴方たちだと」


これも本当の事だからな。


「おかしな話ですよね、お兄様。幽霊にでも出てきて欲しかったのでしょうか?」

「分からん。だが、もしかすると暗殺に成功したという確証が欲しかったのかもしれないな」


成る程、そういう考え方もあるのか。

違うのだが、勝手に勘違いしてくれる分には問題ないだろう。


「となると、今日来た部隊はハーモレイクの死を確認するのが目的。暗殺の成功さえ確認できれば、その隙を突いて一気にここを落とそうと攻める算段だったのかもしれん」


途中式は間違っているが、正解は導き出したようだな。

運のいい奴め。


「すぐにでも、また東軍が攻めてくるのですか?」

「そうだ。オリッシュが今日勝てたのも、知りたい情報を手に入れてさっさと撤退したのだろう」

「……ハーモレイク様が死んだ事、言わなかった方がよかったのでしょうか?」

「遅かれ早かれ知れる事だ。むしろ、言ってくれたからこそ東軍が撤退して、オリッシュも無事帰還する事ができたわけだしな」


違うんだけどなあ。

まあいい。

近々、東軍の魔法第一旅団がこの砦を攻めに来るのは事実だろうからな。


「私も、今日の戦闘経験を生かして、もっと風の魔法を使えるように頑張ります」

「生き残るために魔法を磨くのはいい事だが、無茶はするなよ」

「はい、頑張ります」

「……忘れるな。この兄はオリッシュが戦場に立つ事を望んではいない事を」


相変わらず、過保護なお兄様だ。

だが、俺もこんなところで死ぬつもりは無いぞ。

少なくとも、元の体に戻る事ができるまでは。


さて、俺も風の魔法をもっと使いこなせるようにならないと。

シャーマナイトがやっていた雷を出す上級魔法。

それに、空を飛ぶアレもできれば使えるようになりたい。


先程の戦いではウィンドカッターだけで上手く立ち回れた。

しかし、次の戦いがそう上手く行くかは分からない。

それに、個人的に新しい系統の魔法を覚えるのは楽しいからな。


いずれにせよ、風の魔法のレベルアップは必須である。


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