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初陣 その2

シャーマナイトの手配によって、俺は砦の周辺で敵を待ち構える部隊に入れられた。


いよいよ、この体になってからの最初の出陣だ!

俺は実戦に出られることへの期待から気持ちが高まっている。

覚えたての風の魔法を本格的に使う事ができるからな。


現段階で使える風の魔法は、基本のウィンドカッターのみ。

本当はもっと覚えたいが、残念ながら実戦での使用経験が足りない。

故に他の風の魔法や上級魔法を覚えるまでには至らなかった。


だが、俺には長年火の魔法を使ってきた経験がある。

それを生かせば、ウィンドカッターだけである程度の応用は効く。

今回はそれで戦うしかない。


「オリッシュ様、話はシャーマナイト様から聞いております」

「そんなに畏まらないでください。ここは戦場。今は貴女は隊長で、私は只の一般兵に過ぎないのですから」

「は、はぁ……」


俺が入れられた部隊の女隊長は扱いに困っている様子だ。

まあ、無理もない。

上が無理を言って、いきなり貴族の御令嬢を押し付けられたに等しいのだからな。


だが、俺にも事情がある。

やる事はやらせてもらわねば。


「それで、私たちの作戦は?」

「砦に敵軍が近づかない様にここで食い止めま……食い止める」

「敵軍の隙を突いて中心を叩くのではないのですか?」

「いや、今回の作戦は守るのが目的で攻めるのとは……」


防戦一方ではなあ……。

俺は戦場で策を駆使する軍師タイプではない。

だが東軍での経験から、このやり方では撃退できない事くらいは分かる。


俺が単独で突撃して、東軍の隊長を倒すしかないな。

幸いオリッシュの兄シャーマナイトは妹には甘い。

これくらいの無茶をやったところで、結果さえ出せば何とかなるはず。


「あれが、この前全滅した部隊で一人だけ生き残ったっていう御令嬢?」

「御貴族様だか知らないけど、あんなのの御守りなんて嫌だから!」

「しーっ! 聞こえるって」


どうやら、他の魔法兵たちには嫌われている上に避けられているみたいだな。

変に気にかけられたらやり難いと思っていたが、こいつは好都合だ。

誰も俺に近づこうともしない。


では、早速戦う準備をするか。

丁度、こいつも試してみたかったしな。


俺は、バトルサイズを右手に掲げ、魔力を集中させる。

頭の中でウィンドカッターの魔法で斬るイメージと、鎌を使って斬るイメージが重なり合う。

それ故に、このバトルサイズを使うと風の魔法、特に斬る系統を制御し易い。


バトルサイズの刃先から、風の刃を四つ出現させる。

そして、それを自分の周囲を回る様に配置した。

ウィンドカッターの応用技だ。


突然出現した勢いよく回る四つの刃に、周りの魔法兵たちは驚き始めた。

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