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風の魔法 その9

装備を整えたい。

今装備しているオリッシュの豪華な身なりを何とかしたい。

あれでは戦場で敵に指揮官クラスと間違われるし、味方からの印象も悪くなってしまう。


それに、何より武器が必要だ。

さっき、ウィンドカッターの魔法を使ったが、威力はまだしも制御が難しい。

魔法の制御をやり易くするためにも、それ相応の武器が無いと。


西軍で武勲を立てて出世したいわけではない。

目立つ事はなるべく避けたいが、この魔法の腕一つで頑張らなければならないのもまた事実。

この俺の元の体、東軍のアメイガス魔法第二旅団長のところにたどり着くために。


防具は最悪今のままで仕方ないとして、とりあえずは武器だな。


「あの、お兄様。私、何か武器が欲しいのですが、どうすれば?」

「そうか、この前ので失くしてしまったのだな。武器庫まで行って見繕ってくるといい」

「ありがとうございます」

「……そうだな。見張りの兵に私の書いた紹介状を渡すといい。それから、心配なのでメイドのレゾナを同行させなさい」

「分かりました」


こいつは最高だ。

武器庫ならば、上手くすれば防具も手に入るかもしれない。

おまけに、道案内用のメイドまで付けてくれやがるとは。


「これが紹介状だ。それじゃあ、気を付けて。レゾナも頼んだぞ」

「了解致しました、シャーマナイト様」

「確かに受け取りました。それでは、行って参ります」


俺は、シャーマナイトから紹介状を受け取る。

そして、メイドのレゾナと一緒に部屋を出た。


「よかったですね、オリッシュ様!」

「ええ。新しい武器、楽しみです」

「いえ、そうではなくて、魔法……使えるようになられたのですね。おめでとうございます!!」

「えっ!? ま、まあね」


メイドのレゾナは、先ほど驚いて腰を抜かしていたのとは一転してすごく喜んでいるみたいだ。

まるで、自分の事の様にはしゃいでる姿は、何だか可愛らしい。


本当に、オリッシュという魔法御三家の貴族の娘は魔法が使えなかったのだな。

本来ならば生まれ持った才能で強力な魔法が使えるのが魔法御三家だ。

それが使えなかったとなると、この娘もメイドも今まで肩身が狭かったに違いない。


そりゃあ、オリッシュが魔法を使えるようになった事を喜ぶわけだ。


「覚えていませんが、今まで私が魔法が使えない事で皆に苦労をかけていたのですね」

「そ、それは……」

「ですが、使えるようになったからには頑張らないと」

「オリッシュ様……戦いに出られるのは心配ですが、私も応援します!」


そうかそうか。

だが、残念ながら俺は元の体に戻るために動くがな。

さあ、まずは武器からだ。


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