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敵軍と最弱女魔法使いと体が入れ替わる!? その1

俺が旅団長として率いる東軍の魔法第二旅団は今、残党狩りを行っている。

西軍が潜んでいる地域に一斉攻撃を仕掛けた後の事だ。


「内通者による密告通りでしたね、アメイガス様」

「ああ、罠かと思って一応警戒したが、こうもすんなりと事が運ぶとはな」

「罠かもしれない危険な任務なのに、何故旅団長であるアメイガス様が自ら前線に出向いたのですか?」

「危険だからこそ一番強い俺が前線に出たのだ」


我ながら馬鹿げた理由だとは思う。

だが、これが俺の性分なのだ。


俺は一兵卒から着実に自分の足で手柄を稼いで出世した身だ。

魔法第二旅団の団長にまで登り詰めた今でもそれが癖になっている。

だから、二千人の旅団を率いる身分になっても自分が前線に出ないと気が済まない。


「しかし、こんな最前線近くの廃村に隠れていたとは」

「廃村ではない。戦争が始まり村人が避難しているだけだ。我らが制圧して平和を取り戻せばまた復興する」


雑な作戦だが、東軍がこの村を通りかかった際に奇襲を仕掛けようとしたのだろう。

あからさま過ぎて、内通者を装った罠だと確信した上で故意に引っかかったくらいだ。

まさか、本当に潜んでいたとはなあ。


「そこに一人隠れているな。大人しく出てくれば捕虜にしてやる。だが、出ないなら焼き殺すまで」


俺は、何者かが石垣の裏の陰に隠れているのを察知した。

とりあえず、威嚇として火の魔法ファイアーボールを何者かが隠れている付近に撃つ。

これで出てこないならば、隠れている場所にヘルファイアの魔法を使うまでだが……。


「で、出てきますから、撃たないでください!」


隠れていた相手が出てくる。

だが、油断はできない。

いきなり攻撃してくる場合に備えて俺は構えた。


「あ、あのっ。捕虜にしてくれると言うのは本当ですよね? 私、死にたくないです、助けてください!」


出てきたのは西軍の若い女魔法使いだった。

てっきり一般兵かと思ったが、それにしては装備が豪華過ぎる。

もしや、この作戦を率いていた隊長か?


「私は西軍のオリッシュ・ジュエル。魔法御三家の人間です。ですから捕虜として十分な価値はあります」


オリッシュ?

そんな名前は聞いた事は無いが、ジュエル家自体は有名かつ名家だ。

確か西軍の魔法師団長の名がシャーマナイト・ジュエルだったと記憶している。


命欲しさに自ら捕虜に成り下がるとは呆れたものだ。


だが突然、女魔法使いが輝きだした。


……いや、そうではない。

俺の目の前が真っ白になったのだ。


そして、俺の意識は遠のいて……いった……。


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