お嬢様の生活その6
更新遅くなりました
ごきげんよう。皆様。
本日はお日柄も良く、シャルロットお嬢様も一際美しく、文句の付けようがない一日となっております。
孤児院訪問も本日が最終日となり、この一週間でお嬢様の名声はうなぎ登り滝登りの如きでございます。
殺したい子供が出たのは最初の孤児院だけで、それからの訪問は実に平和なものでした。
最終日の今日も無事に訪問を終え、お嬢様は溶けそうな笑みを浮かべられております。
さて、このあとのお嬢様のご予定を皆様と確認致しましょう。
本日訪問した孤児院は、レイブン家が属する国「ヴィーシャ」の城下町の橋に建っております。
シャルロットお嬢様のお母様である、アリア・レイブン様は遠いですが王家の血を引くお方です。
政治のあれこれにうんざりしたアリア様のご要望により、レイブン家の居宅は辺境にあります。
しかし、お嬢様のお父様であるリンデ・レイブン様は国の財務官ですので、レイブン家は王家との繋がりがかなり太い貴族です。
貴族と言いましても、子爵や伯爵など様々な階級がこざいます。レイブン家はその中でも1番階級の高い公爵の位におりますので、シャルロットお嬢様は王族の誰かと婚約するのではないかと噂が飛び交っております。
今のところお嬢様に変な虫がついていないのも、その噂が有力なため誰も手を出す気にならないのが理由です。
私が定期的に始末している、というのもありますがそこは省くと致しましょう。
王家と繋がりが濃いレイブン家の息女が、珍しく王宮近隣に来ている。
この事実は、王族として無視できるものではありません。
それに加え、本日はちょうど建国祭のパーティーが王宮で開催されます。
ここまで言えば、聡い皆様は予想がつきますよね?
そう。シャルロットお嬢様はこれから王族主催のパーティーにご参加なさるのです。
これからリンデ様が寝泊まりに使われている別宅へ行き、お美しさに拍車をかけてパーティーへ行きます。
今は時計の針がお昼を少し過ぎた頃。
この時間なら、リンデ様もお昼休憩と称して別宅にて待機されていることでしょう。
傍付き侍女としてこれからの仕事を確認しているうちに、馬車は別宅へ到着しました。
本宅に勝るとも劣らない敷地の別宅の前には、護衛もつけずにリンデ様が立っておりました。不用心ですね。
王宮に働き詰めで、お可愛らしいお嬢様のお姿をもう1年も見ていないことも相まって、その鼻の下はだらしなく下がりまくっております。
「シャルロット〜!!」
美しい響きの名を呼ぶ野太い声が、なんと馬車の中にまで聞こえてきました。
キャラ、濃すぎではないでしょうか?
「お父様!恥ずかしいから、その顔をどうにかしてください!」
一瞬げんなりとした私ですが、馬車から出てきたお嬢様のお声でリフレッシュです。
なんてお可愛いのでしょう。呼吸困難及び心肺停止状態に陥りそうになってしまいます。これが尊死というのでしょうか?
「シャルロット〜。元気だったか〜?もう可愛いなぁ可愛いなぁ可愛いなぁ」
デレッデレですね公爵様。
まぁ無理もありません。私も1年ぶりにお嬢様にお会いしたらその場で全裸になってマスカラ両手に踊り狂うことでしょう。え、下品?これは失礼致しました。私、平凡な平民育ちなもので。
「道を塞がないでくれますか?パーティーに遅れたらお父様のせいですからね!」
「おぉうシャルロット〜。そんな冷たいことを言わないでおくれぇ〜」
髪揺らして別宅へ入るお嬢様の背中を、クネクネとリンデ様が追いかけました。
この様子ではパーティーがどうなってしまうか非常に不安ですね。
私はこれからリンデ様に孤児院訪問の報告及び、お嬢様の1年間の様子をお伝えしなければなりません。
今回はこれにて失礼致します。
次はパーティーでお会い致しましょう。