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いつか君に  作者: 夢呂
1、
1/4

1、ふたり

「あ、雪だ・・・」


凪は思わずそう呟いていた。



今年の初雪は、去年よりもずっと遅かった。

手のひらには次々と白くて小さな雪が、落ちては消えていく。


「どうりで寒いはずだよな。」

隣で白い息を吐きながら、志堂しどが言った。


ホームに並んで電車を待つ二人は、毎朝こうして最寄駅で会う。

待ち合わせているわけでもない、ただ決まった時間にホームに来れば、そこにどちらかがいるからだ。


ちょうど電車が来て、二人は同じ車輌に乗り込んだ。

ドアが閉まると、小柄で人に押し潰されそうな凪を庇うように、すぐ目の前にはいつも志堂がいる。

凪はセーラー服のリボンをギュッと握る。

見上げたら、志堂の胸の位置に顔がぶつかりそうになるから、朝のラッシュに巻き込まれた時は、凪は俯いたままじっとしている。



「もうすぐクリスマスだね。」

「うん。そしたらすぐ冬休みだな」

「そだね」


志堂の言葉に頷いた時、凪はなぜだか自分の胸が軋んだような感覚があった。


「じゃあ、私降りるね」


ちょうど高校の最寄り駅に着いて、凪は開いたドアから弾かれたように飛びだす。


「うん。じゃあ」

志堂の言葉を笑顔で返して、凪は改札へと向かうのだった。



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