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TS幼女は~シリーズ

TS幼女はボス戦を応援する

作者: まい

“TS幼女は~”シリーズです。


幼女の容姿や来歴を一々書いていると文字数ばかり食うので、気になる方や忘れて確認したい方はシリーズ一番目を御覧ください。




今回はタイトル通り、TS幼女所有の初心者向けダンジョン最奥のボス戦をメインとした話です。戦闘描写はロクに出ません。作者が苦手な奴なので。

 初心者向けダンジョンを3つ、絶滅危惧種保護ダンジョンを3つ持ってるダンマスTS幼女っす。


 前回の年越しビート除夜の鐘から半月経っているっす。




 最近ようやくウチのダンジョン最深部のボス階に、冒険者が来るようになりました。その様子を、ダンジョンを操作する力……DPで様々な高性能の家財道具を作り出して配置した、豪華なマイルーム。ダンマスルームで観戦中。


 ああ、ダンマスルームは巧妙に隔離して視認・感知・侵入とか出来ない結界とかも張ってあって、ダンジョンが攻略されたからって万が一にも俺の部屋へ押し入られる心配は無い。もし来ても簡単に追い返せるが、突入されて嬉しく思う変な性格はしていない。


「……しかし、こんな5m級のロックゴーレムに負けて逃げてくって、どれだけ弱いんだよ」


 そう。挑戦はしても、いつも冒険者が負ける。こんなの相手に、ひとつ上のストーンゴーレムを出さなくて良かった。止めてくれたタマちゃん(ダンジョンコア)には感謝だな。


 〈装甲の薄い足首やクルブシ、膝の裏を攻撃して、蓄積したダメージでダウンしたらゴーレムのどこかに核が出現して、それを壊せれば勝ち。でしたよね〉


「そう。そんな簡単な相手なんだよ。それなのにみんな、全身一通り攻撃したらすぐ撤退しやがる。粘っている奴でも、ゴーレムパンチを避け損なってボロボロになったら退却。別に核を残して倒しても特別報酬とかは用意してないから、縛りプレイ(核を壊さない)しなくていいんだぞ?」


 あー、ウチのダンジョンのボス戦は、ここからボス戦って知らせるための扉はあるが、出入り自由。ボス戦で逃げられない~ってのは無い。

 その辺はダンジョンの設定次第で、ボス戦になると閉じ込められて、帰還の魔法やアイテムを使わないと逃げられないボス戦、そう言うのさえ禁止されるボス戦もある。ダンジョン難易度の高さに大体比例して、厳しくなっていく感じ。

 もうひとつ情報。ボスはボス扉を開け閉めするだけで、リポップする。ボスの経験値や素材、レアドロップが欲しい奴はどうぞ繰り返し挑戦して下さいな。


 〈もしかしたら、最初から核が露出してると思っているのかも知れないですね〉


「あー、ありえる」


 こう言った、攻略法がギミック式のボスも居るんだぞって教えてやりたいが、それをすると神が怒る。

『幼女に優しく見守られて教えられて、甘えきったダンジョン攻略は美味しいか?ママーって幼女に甘える権利を持っているのは神だけだ!』ってメッセージカードを寄越されたし。もちろん、このカードは気持ちが悪くて速攻で破り捨てた。


 〈挑戦した冒険者のステータスや装備的に、十分倒せる相手なんですけどね〉


 ダンマス固有の、ダンジョン侵入者情報を鑑定済みで入手できるスキルで確認した数値である。

 余計な情報として、地球の鑑定は植物鑑定とか人物鑑定とか動物鑑定とか細かい。細分化した鑑定全てを取得して統合されると、初めて普通の鑑定となる。……俺の所持してる鑑定スキルはゲーム産で、初めから細かい分別無しで万物に可能。


「ここままじゃあ、ク○ゲー乙とか無理ゲー扱いされるな。テコ入れが必要だ」




 ってな訳でして神社エリア以外に、更に独立エリアを増設。その名も【訓練エリア】カカシ相手に武器類を振り回して、対応したスキルの習得をしましょう。ってエリア。習得までは早く、スキル成長には向かないカカシがズラっと並んでいる。

 ついでにジム風筋トレエリアに魔法の扱い方を学べるエリアと、その魔法を気兼ね無く放てるエリアも併設。ダンジョン入り口の案内説明板に追記完了。利用料金は、大手カラオケ店より少し高い位也、と。


 え?ダンジョンをいじるためのDP?俺の魔力(MP)とも連動。俺のステータスは4桁で成長の限界とされる地球の設定で、素でもオール5桁越え。

 各種ステータスに補正を入れるパッシブスキルや一時的な強化も加算すると6桁越えも有る。化け物言うな。努力の成果なんだよ。

 しかも魔力をいくら使おうが、複数ある魔力回復速度上昇系のスキルで、空の状態から完全回復まで2時間(ゲーム時代では数分だったんだが……下方修正でもされたかな?)とか言う早さ。エリアの造りでウンウン唸ってる間に全回復しているから、実質使い放題です。


「コレが限界だな」


 〈これは……アレですね。レベルを上げて、物理で殴れ的な。ギミックを利用しなくても、チカラワザでダメージが出せるようになるまで育てれば良いじゃないか的な〉


「ざ☆脳筋スタイル。そして鍛え上げた体で足を攻撃したら、ゴーレムがダウンして弱点露出。簡単な攻略法があったじゃないかと、自身の無駄な努力に涙するオチ」


 〈……自業自得、と言う事にしておきましょうか。あと、マスターのアホ毛が得意気に揺れてますよ。自分で性格が悪い幼女って自慢している様に見えます〉


「ははは……性格が悪くなきゃ、異世界から3年で帰ってこられなかったよ。さて、俺専用エリアで土いじりでもしてこようかな」


 ソファーから「よっこいせっと」飛び降り、俺専用エリアへの階段へ〈まるでロリBBAですね〉向かい「うるさいよっ!」降りていく。




 俺の畑は大農園エリアと言う、天井が見えない上に昼夜の概念をもつ、水場も点在して農業に適した特別製だ。ステータス永続上昇系の消費アイテムだって育つ。

 あと、小さいが世界樹も神に言われて植えた。ダンジョン内に魔力を満たす為に必要なんだと。


「しかし……ダンジョンだから何でもありと言われればおしまいだが、地球の農作物が植えて魔力を注いだら10分20分で実るのは、色々不味いだろ。しかも季節まる無視で、いつでも旬状態にて収穫可能」


 これを世間に公表したら、農作物の価格が暴落して農家さんは路頭に迷う。こんなの個人使用目的以外には使えない。


 せっせと今週使う分の(旬から外れてたり、輸入でしか手に入らない)野菜の種苗を植えて魔力を注ぎ、インベントリへ収穫していく。残りは町の店で買うよ?ソコソコ金を持ってるから、地域経済に貢献しないと。


 ダンジョン入り口にジャンプした俺は、すぐさま冒険者達に囲まれる。普段の外出時は着ぐるみパジャマで、今日はブタ。こんな所でそんな格好ならよく目立つ。

 オウコラ、俺へのタッチは絶対禁止。ダンジョン関係のトラブル回避で常駐しているお巡りさん達が察知して、飛んでやって来るぜ?「事案だ!事案だ!」ってなぁ!

 しかもこっそり冒険者にまぎれてダンジョンへ潜ってレベルアップしているお巡りさん達だから、油断はできねぇぞ?(ゲス顔)


 囲んで話しかけてくる内容は様々だが、ダンジョンアタックに関する質問だけには反応してやると決めている。

 そこに、さっきまでゴーレムと戦っていたチームがいて、ゴーレムについて訊いてきた。


「アイツは簡単に倒す為のパターンがある。それさえ見つければ楽勝。全く分からない、駄目だと言うなら、増設した訓練エリアで修行でもしなさい」


 直接的なヒントはご法度。これが出せる限界のヒント。




 ってな訳で近所のスーパーにて買い物してきました。

 どうしても子供のお使いにしか見えなくて、最初は周囲からハラハラして見られていたが、客も店員も慣れた物。

 身の丈に微妙に合わない大人向けのカートを押して、念動魔法で高い所の商品を取り、時にはアホ毛で商品を巻き付けてつかまえ、並外れた力で重いはずのカゴさえ軽々持ち上げる。着ぐるみパジャマの格好で。

 そんな様子を眺めている客・店員は俺がそちらを見ると、とても微笑ましいものでも見るかのようにニッコリする。


 買ってからインベントリへ。そうしないと万引きし放題。そんなの俺自身が認めないし、やりたくない上に疑われたくもない。


 そうそう、俺の無限インベントリだけど、便利過ぎてこれを利用しようとする輩がいる。沢山居る。以前仕様をうっかり漏らしたのが悪かった。


 依頼者は主に企業。インベントリにはタグとかフォルダ分け機能とかもあって、入れた数は自動計算して表示される。それがあれば棚卸が早く正確に終わりそうだから、手伝って!って目を真っ赤にして必死に。

 怖くなって、問答無用で完全お断り。


「冒険者はどんな感じだ?」


 ダンマスルームに帰りつき、タマちゃんへ確認をとる。


 〈ダメですね。ゴーレムに挑戦していた連中は、全員訓練エリアへと突入しました〉


 oh…………。俺のアホ毛さえ呆れてやがる。


「冒険者ってのは、馬鹿ばっかりなのか?」


 〈かもしれません〉

ゴーレム攻略を中断して、訓練エリアに入り浸った連中のその後。


「訓練エリアを利用して2週間。なかなか成長してきているな」


「これならあの憎きゴーレムも倒せるかもしれない」


ざっ!


「おいお前らっ!ゴーレムが倒されたぞ!」


「嘘だろっ!?」「馬鹿な!あんな硬い化け物をどうやって!?」


「足に攻撃を集中させたらゴーレムがダウンして、弱点の核が現れたそうだ!」


「「!!!?」」


「俺達は、とんだ遠回りをしていたって事だよ!」


「「畜生!幼女に騙されたぁ!!」」


「騙してない!簡単に倒せる方法はあるって、ちゃんと教えてくれていただろうが!!」


「「…………俺達の努力は?」」


「ほとんど無駄だな。上がったステータス自体はプラスになるから、全くの無駄ではないが」


「やっちまった……(遠い目)」「ほとんど無駄か……(目から汗)」


━━━━━━━━


その頃のダンマスルーム


「ようやくクリア者が出たか……」


〈ヒントをあげてから2週間。本当にようやく、ですね〉


「クリア者は、訓練エリアの利用者か?」


〈利用者ではありますが、ゴーレムで詰まって駆け込んだ冒険者では無いですね〉


「あいつら、どれだけ脳筋なんだよ」


〈訓練エリアの利用料金、ご馳走さまでした〉


「まさにそれ。攻略法は知られたみたいだし、これで中級ダンジョンへ挑んで稼げる冒険者達が出てくるかな?」


〈ここなんかより断然厳しくて、出戻りして入り浸るヘタレ冒険者が量産されたりしませんよね?〉


「なんかフラグっぽいぞ、それ。まあそうなったら、それ用の職業訓練施設を用意してやるだけだ。そうしないと、変態神が悲しむ」


メッセージカードヒラヒラ~。


『優しいママ幼女ちゃん!こちらの意図をしっかり理解して、そのフォローも考えてくれる偉大なママ!!』


バチーン!


「最近のお前は、なんか余計に気持ち悪いんだよっ!!」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 幼女にママ。 とんだ変態神ですね(目逸らし) お巡りさんは紳士淑女ですね。幼女の為にいつの間にか冒険者のトップに君臨するのでしょう。たぶん。 [気になる点] 訓練エリア、ジム、筋肉、 時…
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