2.召喚 ~summons~
「召喚、成功しました!」
気が付くと私はそこにいた。
「よくぞ参った、勇者よ!」
私が混乱して状況を読めず、見慣れない光景、見慣れない服装の人達を見渡していると、角らしきものが生えた少しはげた40代後半に見えるおっさ・・・王冠を被った王らしき人が何か言っている。
「キーズ、この勇者方に説明をしてやってくれ。来たばかりでわからないだろうからな。」
「はい。」
キースという返事をした人間は私に向き直り、説明をし始めた。
「この国では、人族、獣人族、エルフ族などと、様々な種族が住んでいる世界です。しかし、この世界ではある日、魔物、また魔族というどんな種族でも容赦なく襲い掛かり殺すという、なんともおぞましい種族が生まれてしまったのです。そこで、あなた方勇者様に魔物と魔族の王、魔王を討伐していただきたく、召喚させていただきました。ご説明としては以上です。」
異世界召喚の本で定番だった小説を知っていた私は説明を聞いて納得した。異世界なのだと。
「勇者殿、魔王を討伐してもらえぬか?」
私は魔物と戦ったことなどない。ましてや前の世界に戦闘などというものなどと。
どうしようか。
討伐しに行く
⇒「3.承諾・依頼 ~consent and request~」へ
討伐しに行かない
⇒「4.辞退 ~refusal~ 」へ