表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sky Bridge ~珈琲紅茶、時々幽霊~  作者: 柚琉
プロローグ
3/3

プロローグ3

それからどれだけの時間が経過したのかは定かではない。

数秒かもしれないし、数分だったかもしれない。

確かなのは、目の前の高校生が教えてもいない俺の名を呼び、今なお、俺ににこにこと笑顔を向けていること。そして状況を飲み込めず、返事すら出来ないままに、自分が固まってしまったこと。

「……な、んで」

詰めていた息を吐き出すように、ようやくそう口に出来たのは、固まったまま返事もしない俺に、少年が小さく首を傾げたからだった。

なぜ、俺の名を知っているのか。

なぜ、俺を待っていたなどと言ったのか。

聞きたいことは沢山あるはずなのに、言葉にはならず、陸に打ち上げられた魚のように口を開いては閉じるを繰り返す。

「じゃあ、スカイブリッジって」

「ネットじゃ都市伝説だなんて言われてますけどね。あなたがここにいることが答えになりませんか?」

存在する、そう肯定されたことで、一気に体の力が抜けた。

この際俺の名前をどこで知ったかなんてどうでもいい。

インターネットの掲示板、それも一部の、オカルト板で話題となるその店の名は、スカイブリッジ。

心霊現象専門の探偵社である。

「改めまして、喫茶店兼心霊探偵事務所、スカイブリッジへようこそ。オーナーの若尾明夜といいます」

「……透也。近藤透也だ」

「トーヤさんですね」

若尾少年は俺の答えに頷くと、ニコリと笑った。

「ご依頼は?」

「……人探し、だな」

元々、藁にもすがる思いで訪れたのだ。

相手が高校生だろうがボケかけたジジイだろうが、ダメでもともと、賭けてやろうじゃないか。

俺を悩ませる「事件」を解決できる可能性が1パーセントでもあるのなら。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ